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全羅北道淳昌で高麗時代の「農所古墳」発掘

登録:2014-12-02 23:14 修正:2014-12-03 05:57
高麗時代の墓であることが分かった全羅北道淳昌郡赤城面雲林里山12-2番地、農所古墳から出土した青銅遺物。 この中には髪の毛の束を入れたものもある。 2014.12.2国立羅州(ナジュ)文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社

古代インド文字が書かれた棺の破片
髪の毛の束が入れられた青銅器出土

 800~900年前、全羅北道淳昌(スンチャン)の墓に埋められた高麗時代の権力者は非常に篤い仏教信者だったのだろうか。 昔の仏教寺院で使われた古代インドのサンスクリット文字(梵字)が書かれた木棺の破片と髪の毛の束が入れられた青銅器などを埋めた、独特の構造の高麗時代墓が出てきた。

 国立羅州(ナジュ)文化財研究所(所長イ・サンジュン)は、全羅北道淳昌(スンチャン)郡 赤城(チョクソン)面 雲林(ウンリム)里 山12-2番地の農所古墳に対する最近の調査結果を2日発表した。 研究所側によれば、この墓は高麗時代の木槨墓(棺を収める墓室を木で作った墓で、土壙木槨墓とも呼ぶ)と確認された。 3段に掘った墓壙の底に遺体を入れた2メートルを超える木棺とこれを覆う木を重ねて板を置き、封土を積む仕組みだ。

淳昌雲林里の農所古墳の姿(位置:黄色の円内)。国立羅州文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社

 目を引くのは仏教式儀礼の痕跡と見られる副葬品だ。 幅約2メートル、深さ3メートルに及ぶ内部墓室からは、表面に漆を塗って金箔で梵字を書いた木棺と墓の主人の頭蓋骨の一部が出てきた。 また、棺を置く床部分の三方の壁面を掘りおこして作った壁からは髪の毛の束が入れられた青銅盆と青銅蓋付き器、青銅箸と匙などが発見されて注目を引く。

 梵字は高麗、朝鮮時代の寺刹で各種の儀礼用器や仏像の腹の中に入れる腹蔵遺物の発願文などに書いて入れた仏教特有の文字だ。 青銅器、青銅盆は寺刹の供養品を入れる用途で広く使われた遺物だ。このような歴史的情況から類推して、当時仏教式儀礼により地方有力者の葬儀と埋葬がなされたものと研究所側は見ている。 出土遺物と墓の形態などから墓の主人は高麗時代の最高位階層だったと推定されるが、誰の墓なのかは分からない。 研究所は今後人骨などの出土遺物を分析し、墓の主人公の実体を明らかにすることにした。

淳昌雲林里農所古墳の姿. 国立羅州文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社

 農所古墳は今まで三国時代の古墳として知られてきた。 墓の封土は長さ580センチ、幅404センチの長方形に積まれているが、現在は全て削られ扁平に変わった。 封土端に置かれた屏風石(護石:墓を保護するために封墳(土の墓)の上部に屏風のように立てた平たい石)が一部残っている。

淳昌雲林里農所古墳出土遺物. 国立羅州文化財研究所提供//ハンギョレ新聞社

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/667104.html 韓国語原文入力:2014/12/02 12:07
訳J.S(1337字)

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