本文に移動
全体  > 文化

公州公山城から百済滅亡期の遺物が大量出土

登録:2014-09-23 21:33 修正:2014-09-24 07:55
公州(コンジュ)公山城(コンサンソン)で発見された百済時代の木槨庫 提供 文化財庁//ハンギョレ新聞社

完全な原型を維持した大型木槨庫 初確認
水準高い各種工具・生活用品 多量発見
百済文化祭にあわせて発掘現場で一般人向け説明会を開催

 百済の旧都の王城であり、百済滅亡の瞬間を大切に保管してきた忠南(チュンナム)公州 公山城。この城跡の地下から約1300年前の百済時代のタイムカプセルが発見された。百済時代の巨大な木槨保存施設である大型木槨庫と百済滅亡当時の羅唐連合軍との戦争状況を生々しく伝える鎧と馬甲、刃物と矢尻、旗竿さしなどが大量に見つかった。

 文化財庁は今年、公州大博物館(館長ナム・ソク)が公山城で行った7次発掘調査の結果、百済時代の完全な原型を維持した大型木槨庫を初めて確認し、羅唐連合軍と百済との戦争に使われた武器類を大量に発掘したと23日発表した。 今回の調査は2008年から行われてきた公山城、百済王宮付属施設発掘事業の一部で、城内付属施設領域の中央部に当たる場所で進行された。

 発掘された遺跡、遺物のうち、最大の成果に選ばれるのは建物群北端の大型木槨庫だ。 大きさは横3.2メートル、縦3.5メートル、深さ2.6メートルであり、幅20~30センチ前後の板材を柱に合わせて精巧に組まれている。 底面から壁体の上部まで腐らずに造成当時の姿そのままに原型が残っていた。特に、柱の上部の長い柄が枠桟の上まで出ていて、内部から瓦の破片が多数出土した点から見て、上部には別途の屋根構造物が存在した可能性が高いと見られる。

木槨庫から発見された木槌と桃の種をはじめとする各種遺物 提供 文化財庁//ハンギョレ新聞社

 これまで百済遺跡における木槨庫は、大田(テジョン)月坪(ウォルピョン)洞山城、扶余(プヨ)の泗ビ都城(サビトソン、ビはさんずいに比)内でも発掘されたことがあるが、き損が激しいうえに下段の底部と高さ50センチ前後の壁面のみを一部確認できただけだった。 これに対し公山城の木槨庫は上部構造まで確認できる最初の木造建築物という点で大きな意味がある。 当時の木材加工技術を実証するものであり百済建物の復元と研究などに画期的な資料になると見られる。

 木槨庫の内部からは桃の種、ユウガオの種が多量に出てきた。 重さを測る石製の重りと生活用品である漆器、木槌などの工具も見つかった。 石製の重りは円形で、中央に輪が付いており、重さは36グラムだった。 漆器は木材を加工して作ったもので、表面には漆が精巧に塗られている。 また、木槌をはじめとして木製の杵と柄、木製加工品などが収拾された。 円筒形の槌は幅が19センチで、柄の長さが15.5センチの携帯用工具で、木材を組み合わせる時に主に使用されたと見られる。 最も基本的で原初的な工具であり、現在もこのような形で使われているほどにデザイン面でも非常に優れている。

貯水施設から収拾された漆鎧の銘文 提供 文化財庁

 建物跡の北側の貯水施設からは、完全な形の鉄製鎧、漆が塗られた馬甲、鉄製馬面(馬の顔の部分をかばう道具)、馬鐸(馬具にぶら下げる鈴)と共に、大刀、装飾刀、多量の矢尻、鉄牟などの武器類と多様な木製漆器類が多数収拾された。 貯水池周辺の建物跡の大部分が大火で消失した情況を考慮すれば、660年前後の百済滅亡期に羅唐連合軍と戦争する状況が公山城内で繰り広げられた可能性が非常に高いと調査団側は推定した。

 特に銘文が書かれた漆鎧が出土したが、「参軍事」、「○作陪戎副」、「○人二行左」、「近趙○」等の約20字を確認した。 銘文に対する正確な判読が完了すれば、貯水施設から出土した遺物の歴史的性格がより一層明確になると期待される。 これに先立つ2011年の発掘当時、貯水施設からは「貞観十九年(645年)」と書かれた漆鎧と馬甲が出土し注目を集めたことがある。

貯水施設から収拾された矢尻 提供 文化財庁

 また、百済遺跡では初めて確認された馬鞍の後方に立てて旗を挿す用途の旗挿しも注目される。 この旗挿しは鉄で作られ、大きさ約60センチでS字形に曲がっている。 三国時代の旗挿しは、伽耶のものは陜川(ハプチョン)の玉田(オクチョン)古墳で実物が発見されており、高句麗のものは雙楹塚(サンヨンチョン)と三室塚(サムシルチョン)の壁画を通じて確認されている。 百済の旗挿しはこれまで瑞山(ソサン)の余美里(ヨミリ)で出土した土器の紋様から推定できるだけだったが、今回の発掘調査を通じて実物が初めて出土したことにより百済騎乗文化の実状を具体的に立証できる貴重な資料を確保したという評価だ。

 発掘団は第60回百済文化祭が開かれる26日から10月5日まで、毎日午前11時と午後2時に発掘調査現場を訪問する一般の人々を対象に説明会を開催する予定だ。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/656406.html 韓国語原文入力:2014/09/23 09:28
訳J.S(2158字)

関連記事