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東方神起から分裂のJYJ 三年ぶりの新曲で香港に凱旋

登録:2014-08-22 19:43 修正:2014-08-23 07:32
アジア8都市ツアー 初の海外公演
三人組アイドルグループJYJが16日夜、香港ランタオ島のアジアワールドエキスポアリーナで公演をしている。彼らは最近三年ぶりの新アルバム「JUST US」を発表してアジア8都市を巡る「THE RETURN OF THE KING」ツアーを始めた。 C-JeSエンターテイメント提供

「10年ファン」

 ある女性が手に持つプラカードにはこうハングルで書かれていた。16日夜、香港ランタオ島のアジアワールドエキスポアリーナで開かれた三人組アイドルグループ「JYJ」の公演だ。舞台上ではデビュー10周年を迎えた3人の男、ジェジュン、ユチョン、ジュンスが渾身の力を振り絞り歌い踊っていた。

 ちょうど10年前の2004年、五人組男性アイドルグループ「東方神起」がシングルアルバム「HUG」を発表してデビューした。東方神起は間もなく歌謡界を代表するアイドルグループとなった。しかし人気絶頂の時期だった2009年、五人のメンバーのうち、ミッキー・ユチョン、シア・ジュンス、ヨンウン・ジェジュンが所属社のSMエンターテイメントを相手に訴訟を起こして対立が表面化した。「専属契約期間(13年)が過度に長く、収益分配がまともに行われていなかった」との理由を挙げて専属契約効力停止仮処分申請を出したのだ。裁判所がこれを受け入れると3人は翌年の2010年、自分たちの名前から一文字ずつ取ったグループJYJを結成して初アルバム「The Beginning」を発表した。

 JYJは先月末、正規アルバム「JUST US」を発表した。2011年に発表した正規アルバム「IN HEAVEN」以来3年ぶりの新作だ。その間、3人のメンバーは個人活動に力を注いだ。キム・ジュンスはミュージカル俳優とソロアルバム活動を、キム・ジェジュンはソロアルバム活動とドラマ演技を、パク・ユチョンはドラマと映画俳優活動を繰り広げた。

 3年ぶりに3人のメンバーで帰って来たJYJをファンは熱烈に歓迎した。新アルバムは予約注文だけで12万枚、発売後直ちにハントチャートのCD売上1位に上がった。今月9日ソウル蚕室総合運動場オリンピックメイン競技場で開かれた公演には3万人の観客が殺到した。ジュンスは香港公演に先立ち15日に記者たちと会い、「3万席規模の蚕室総合運動場で公演できたことに驚きました。大変だと思っていましたができました」と語った。

 ジュンスが驚きを示したのは、歌手として放送出演が事実上できなくされている中で成し遂げた成果だからだ。JYJは創始期を除くと放送会社の音楽番組に出演した事がない。放送会社は「所属会社と紛争中」との理由などを挙げて彼らと交渉しなかった。「巨大企画社であるSMエンターテイメントの顔色をうかがっているのではないか」との話が出たが、放送会社とSMエンターテイメントは否定した。

 2012年11月、JYJとSMエンターテイメントとの長期に及ぶ法的紛争が終わった。任意調停を通じて2009年7月31日付で専属契約を終了させ、今後の活動には干渉しないことで合意したのだ。しかしそれ以後も番組出演はできなかった。新しいアルバム「JUST US」の高いアルバム売上によりSBSの歌謡チャート番組である「人気歌謡」で第1位候補に挙げられたが、放送会社側は出演を依頼する代わりに資料映像のみをJYJ側に要請した。

5年間 音楽番組に出演できなかったが
1万名の観客が殺到…熱烈歓待
友達と遊ぶような公演に「わぁと」
「ファンに感謝…くじけはしない」

 このような雰囲気のため、JYJは公演を中心に活動してきた。特に外国公演を活発に繰り広げ、アジア、ヨーロッパ、南米などを着実に回った。彼らは今月9日のソウル公演を皮切りにアジア8都市を巡るツアー「THE RETURN OF THE KING」を開始した。今回の香港公演は今回のツアーで最初の海外公演だ。香港公演では1万人ほどの観客が‘熱烈歓迎’してくれた。ジュンスは「私たちとドラマや映画などで接することはできても、生で歌う姿を映像では5年間見られなかったのに、こんなに歓迎してくれるのを見ると不思議にすら思う。放送活動を懸命にしていたら、これほどのありがたみは感じられなかったと思う。本当にありがたく感謝している。だから、今後もくじけはしないと約束した」と話した。

 3人の男は2時間30分にわたる公演の間、歌い踊り笑い、そして幸せにした。各自がソロ曲を歌う時は自分だけの色をはっきりと表現しながらも、3人が団結してJYJの歌を歌う時はお互いに合わせた。意識して合わせたというより、10年の歳月を共にした彼等から自然に染み出る調和だった。ジェジュンは上着を脱いで男性美を誇示して観客たちの楽しい悲鳴を呼び起こし、ユチョンとジュンスは漫談に近い話を交わして観客たちを笑わせた。もうすぐ30歳を迎える3人の男は、近寄りがたい「スター」と言うより、親しみやすく肩肘張らない自由人に見えた。

 困難な状況であるほど、3人の男はお互いを頼り、より一層密接に粘っこくなったようだ。ジェジュンは今回の新アルバムと公演について「これまで各自が個人活動に熱中していたが、今回一緒にアルバム作業と活動をしているのがまるで『ヒーリングの時間』のようだ」として「3年ぶりだからといって負担を感じるより気楽に歌って創った、私たちの安息所みたいなアルバム」と説明した。

 「私たちはいつのまにか10年になりました。言わなくてもお互い分かりあえる仲、本当にそんな感じです。これからは争うこともなく、お互いを本当によく分かって理解して合わせていきます。間違いをしても当然の状況だったとしてやり過ごせます。各自が忙しくて3ヶ月に1回しか会えなかったこともありましたが、それでも差し障りはなく、気まずいと思うことも全くありませんでした。これから10年経っても変わらないと思います。心強くて一人ではないという感じが本当にいいです」ジュンスが語った。

 JYJはこの日の公演でアンコールの最後の曲に「落ち葉」を歌った。「同じ空の下で同じ夢を見る/ 光り輝く星の宴 その祭りに私の身を任せ/いつかまた歌う歌 その日がまた訪れてくるだろう」この部分の響きが、ひときわ大きく迫ってくるようだった。

香港/ソ・ジョンミ記者 westmin@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/culture/music/651599.html 韓国語原文入力:2014/08/18 08:02
訳M.S(2769字)

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