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秘密恋愛を始めた社内カップル、彼らのスマートフォンには何が?

登録:2014-04-10 16:25 修正:2014-04-11 06:40
スマートフォン機能‘奇想天外な活用法’
画面たたいてロック解除‘ノックコード’
2人だけに通じる‘モールス信号’のように
私生活保護のための‘シークレット モード’
シーワールド脱出用、社内恋愛用
母親の目を避けゲームを隠す学生まで

 初期の携帯電話に付いていたアンテナは、背中がかゆい時にとても便利だった。 鉄でできたアンテナをぐっと伸ばして首の後からシャツの中に押し込んで掻けば最高だった。 この頃は酒の席で前の人の杯が空いたのに注がなければ "忙しい?" と尋ねる携帯メールが飛んでくる。 酒をちょっと注いでというユーモアだ。

 携帯電話のアンテナと携帯メールがこのような用途に使われると開発者は予想していただろうか? 開発者がその様子を見たら相当慌てるのではないだろうか。

 ソウル麻浦区(マポグ)に住むパク・某(29)氏は最近、恋人と共にスマートフォンをLG電子の‘Gpro2’に変えた。 使っていた携帯端末の液晶画面がこわれて取り替える必要があったのだが、何よりもこのスマートフォンに採択された‘ノックコード’機能が欲しかった。 パク氏は 「ノックコード機能を見た瞬間、格別な用途が思い浮かんだ」と言って笑った。 ノックコードは数字入力やパターン認識の代わりに画面をポンポンと叩く方式でロックを解く機能だ。 スマートフォン画面を仮想的に4等分した後、あらかじめ定めた順に4~8回ポンポンと叩けばロックが解除される。 同じところを叩く時は間隔が短く、他の所は間隔が長いという点を利用すれば、モールス信号のように使うこともできる。

 パク氏はノックコード機能を恋人と暗号をやりとりする用途にとても便利に使っている。 気持ちの状態を表現するコード数種類を事前に共有した後、デートの時に活用している。 パク氏は恋人とデートの約束があるたびに、会う前に暗号コードを再設定する。 これを通じて「俺、今日はお前と過ごしたい」、「今日は気分が良くないから気を遣ってください」等を表現する。 彼は「ボーイフレンドが‘俺、お前とチューしたい’という暗号コードも作ろうと言う。 人前で言うのは憚られる言葉などをノックコード機能を通じて解決する」という特別な活用法を紹介した。

 ソウル汝矣島(ヨイド)に住むユ・某(40)さんは‘シーワールド’(婚家)に行くたびに、ノックコード機能を活用して夫に暗号を送る。 行く最中に 「もう失礼して家に帰ろう」等、舅姑の前ではあからさまに言えない表現を何種類かコード パターンで決め、夫の目の前でたたく。 ユ氏は「軍で使うモールス信号のようだという夫の言葉からアイディアを得た。 夫婦間の隠密な対話にも使っている」と言って笑った。

 Gpro2の‘コンテンツ ロック’機能は、母親が幼い子供のスマートフォン利用を制限する用途にも活用されている。 4才の娘を持つイ・某(35)氏は、コンテンツ ロック機能を活用して娘のポロロ動画の利用時間を減らした。 この機能を活用してポロロ動画を一つだけ見られるようにしたところ、すぐに飽きてしまった。 コンテンツ ロックとは、私生活保護を目的にギャラリー、ビデオ プレーヤー、ノートブック、メモなどのアプリで隠したいファイルを選んで隠す機能だ。ロックしたファイルは検索できない。 イ氏は「ポロロ動画を時間を忘れて見ている子供を心配して考案した」と話した。

 LG電子のキム・ギョンファン次長はこれに対して「私たちにも予想できなかった活用法だ。広告アイテムとして活用しても良さそうだ」と話した。 彼は「うわさを通じて伝えられる使用者の使用記を見れば、奇想天外な生活の中での活用法が多い。 開発者も驚いている」と付け加えた。

 パンテックのスマートフォン‘ベガ’使用者の特別な‘シークレット モード’活用法も多彩だ。 社内恋愛を始めたばかりのイ課長とキム代理のスマートフォンには、二人で一緒に撮った写真がたくさん入っている。 そこでチーム員がスマートフォン見物をちょっとやろうと言うたびに困ったが、シークレット モード機能を通じて簡単に解決した。 二人で撮った写真と、やりとりした携帯メールなどをシークレット ボックスに保管した後に平然と見せている。

 パンテックのキム・ムング次長は「使用者の経験談を読むと、シークレット モードを通じて高校生は母親の目を避けてゲームを思う存分楽しみ、知らない人がちょっと携帯電話を貸してという時にも、個人情報の流出を心配せずに貸せるなど、多様な経験談が上がってきている」と話した。

 使用者の特別なスマート機器活用法は、機器の革新および新機能・サービス開発のアイディアとして活用されてもいる。 車両用ナビが歩行者ナビを産んで、更には売場ナビまで登場させたのが代表的な例だ。 超高速インターネット ルーターもこのようにして登場した。 利用者が速い速度を何人かが分けて使ってもかまわないという考えで、超高速インターネット ルーターという市場を作り出した。 超高速インターネット事業者は、これを不法だとして取り締まりまで行ったのを見れば、開発者もそこまでは考えられなかった活用法だったことが明らかだ。

キム・ジェソプ記者 jskim@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/632008.html 韓国語原文入力:2014/04/10 15:19
訳J.S(2307字)

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