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日本で7000万冊売れた漫画「ジョジョ」いよいよ韓国上陸

登録:2013-06-19 10:37 修正:2013-06-20 07:26
「ジョジョの奇妙な冒険」正式発売
日本で7000万冊以上売れて連載27年目の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」が国内で正式出版された。超能力キャラクターで戦う「スタンド」の概念を作り出し、多くの漫画に影響を及ぼした漫画で、残忍ながらも妙な魅力が漂い、国内でも多くのファンを得ている。第2部の主人公「ジョセフ・ジョースター」(左側)と第3部の主人公「空条承太郎」(右側)。

27年連載、単行本だけで104巻
残忍な内容のために海賊版だけが出回る
「19禁」でまず12巻出版

格闘漫画に頭脳戦導入
以後「ポケモン」「シャーマンキング」に影響
作者「テーマですか? 人間の生きることへの礼賛」

 10年以上、場合によっては20~30年も連載する超長寿漫画がそれほど珍しくない日本でも、100冊を越える大河漫画は指で数えるほどだ。がっちりとした物語の実力を基に、徐々に変わっていく読者の好みに、一緒に息を合わせていく感覚を維持してこそ可能で、何よりも作家自らが自分の作品に飽きずにしつこく継続する執念がなければ不可能なためだ。

 1986年、週刊少年ジャンプで連載が始まった「ジョジョの奇妙な冒険」は、このようなごく少数の長寿漫画の隊列に加わった日本の代表的メガヒット漫画だ。いつのまにかに27年目をむかえたこの漫画は、今も連載中で単行本104巻まで出版され、全部で7000万冊以上売れた。

 しかし、「ジョジョの奇妙な冒険」は国内では正式出版できない日本漫画の一つに選ばれてきた。内容が残忍で「マッチョ」的なので、青少年購読不可で出版しなければならないばかりか、何よりも分量がきわめて膨大で、出版社としては、100巻を超えて出すことは冒険にならざるを得ないためだった。これまでに、「メガトンマン」「鬼面争闘」などの名前を付けて何回も海賊版が出てきたが、一部の内容だけが紹介されて、熱いファンの物足りなさは、より一層大きくなった。

■韓国で正式発売が期待されなかった漫画、予想を破って出版される

 韓国では正式発売が難しく思われたこの「ジョジョの奇妙な冒険」が、初めて韓国の読者たちと会うことになった。出版社のアニメブックスが最近、全巻出版を決め、まずは12巻を出したのだ。1989年まで連載された第1部と第2部に該当する。

 それ以後、作家の画風が変わったので、第1部は1980年代漫画の感じが充満する。先に同じ雑誌に連載された「北斗の拳」のように、極度に誇張された演出、幼稚なほど悲壮な台詞、荒くて派手なアクションなどが混ざり合いながら、各ページに強い緊張感があふれる。身体が切断される暴力的場面などが登場するので、当然「19才未満観覧不可」で出版された。

 第1部では、主人公ジョジョの一生のライバルであるディオの幼年期、そして二人が敵となり、ジョジョが冒険に出ることになる序盤が描かれる。古代アステカ文明で人の血を吸い、永生と破壊の能力を与える謎の仮面が、産業革命期の英国に流れてジョジョとディオの運命を変え、欲望に燃えるディオは仮面をかぶって怪物に変わってしまう。

■「能力バトル」が生んだ新しい流れ「スタンド」、日本漫画を変える

 「ジョジョの奇妙な冒険」は、1980年代以後、日本と韓国をさらった「少年バトル漫画」の歴史と、日本大衆文化産業の流れにおいて、重要な意味を持つ作品と評価される。ジョジョ以前のバトル漫画は、ほとんど激しい肉体的勝負を描いた。しかし、ジョジョはバトルに心理戦とトリックを活用する頭脳戦を加えて差別化した。また、以後の様々な漫画に多くの影響を及ぼした「スタンド」という概念を一番最初に導入した。第3部から登場して熱狂的な反応を引き出した「スタンド」は、実際に人間同士が戦うのではなく、超能力でキャラクターを作り出して戦いを行う概念をいう。ジョジョが生み出したこの方式は、以後、それぞれ違う登場人物が自分だけの超能力で戦う「能力バトル物」というジャンルに進化していき、日本漫画全体に広まった。アニメーションでも人気が高いシャーマンキングや、世界的に大ヒットとなった「ポケットモンスター」などが、この影響を受けた作品だ。

 作者の荒木飛呂彦(54)は、効果音であっても、それ自体も漫画に見える視覚的要素として作用する擬態語と擬声語を効果的に活用することでも有名だ。 最近、日本で発表されたジョジョのテレビアニメーションシリーズでも、この効果音がそのまま活用されて、独特の雰囲気を強調したりした。

 弱冠二十歳で漫画家としてデビューした作者は、ジョジョ一つで一気に人気漫画家に上り詰め、今でもこの漫画を描いている。彼は「はっきり言って、この作品のテーマはありふれた『生きるということ』」と話す。「対照的な二人の主人公を通じて、二種類の人生を眺めてほしい」として「『人間』と『人間以外の存在』の戦いを通じて、人間賛歌を歌おうと思う」と付け加えた。

ク・ボンジュン記者 bonbon@hani.co.kr

図版アニメブックス提供

https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/592061.html 韓国語原文入力:2013/06/16 21:24
訳M.S(2199字)