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ガチャン…美術館地下宝物倉庫が開かれた

原文入力:2009-04-22 午前 09:11:04
ハンギョレに門を開けた ‘国立現代美術館 収蔵庫’
作品収集・分析・修復…毎年本に出す
6412点所蔵…受入量 増やそうとリモデリング

イム・ジョンオブ記者

果川国立現代美術館地下は広く深かった。20日午前10時から始まった収蔵庫取材は予定時間の午後2時を遥かに越え4時になって終わった。いや、それも担当職員に申し訳なく ‘早く ’終わらせたに過ぎない。

収蔵庫を見て回るのにかかった時間は30分余り。いちいち作品を鑑賞しようとしたのではないので、中に長く留まることではないためだ。入口の身分確認,外門IDカードロック装置,内門の紅彩認識保安システムの3重関門を通過しなければならないのは手続き的スリルがある。収蔵庫ごとにジャンルを分けて作品が保管された様子は大同小異だ。虫害を防ぐという内壁の杉パネル壁材,作品ごとにチップが設置されて搬出入が管理されるという電算システム,ハロゲンガスを利用した自動消化施設などが眼についた。

収蔵庫はリモデリング中、なぜか

「1986年美術館新築の時、所蔵品は2162点でした。第1~6収蔵庫435坪あれば充分だと考えたでしょう。だが購入予算と作家群が順次増え、所蔵品も増えました。2003年第7~9収蔵庫を建て増して1千坪余りでも手に余り、今度は非効率的な構造の1~6収蔵庫を改修し受入量を増やすのです。」収蔵庫出納担当クォン・ソンオ氏の説明だ。

目標容量は1万点。現在所蔵品が6412点で毎年200点余りが増えるとすれば、今後20年は耐えられるという計算が出てくる。文化体育観光部では収蔵庫飽和に備えて国家統合収蔵施設構築も構想中だ。

美術館の地下は作品保全管理室(室長 チェ・ウンジュ)のアジトだ。作品収集・管理と作品保存・修復の二部に分かれている。

「展示場が戦場ならば収蔵庫は兵士たちの幕舎でしょう。収蔵庫をはじめとする作品保存管理室の職員は、兵士たちが出征し戦闘を行えるようにする見えないスタッフでしょう。」キム・ギョム保存科学チーム長の話には堅固な持論が込められていた。

「作品の損傷は歳月の流れより移動中に多く発生します。」油絵表面の亀裂は油が17~40年かけて固まり自然に発生する現象だと言う。問題はカンバスがゆれることに伴う剥落。 移動の後には必ず安定化が必要だと説明した。保存科学チームでは出て行く前後の作品を几帳面に精査して状態が悪い ‘老兵’ は出展を制限する。措置が必要だと判断されれば、ひとまず横にして保管し医師格の修復チームに引き渡される。

保存科学チームは彫刻・工芸,油絵,韓国画の分野に分かれる。油絵修復室では<卓上の静物>(ムン・ウシク,1957),<閑日>(パク・サンオク,1950),二つの作品が手術を受けていた。<…静物>は重傷。すでに一度剥落した部位を胡粉で満たす手術を受けたが、今回は胡粉を最新充填材に変え剥落が進展した他の部位にも手をつけるところだ。最近美術館常設展示場から移ってきた<閑日>は一部塗料が浮き上がり膠を使って押さえていた。開館時から仕事をしてきた修復職員ファン・チェグム氏は一部剥落した部分は除去可能な色あわせ専用顔料を使って ‘元通りに’ 補修すると言った。作品と同じ染料で修復するというのはうわさに過ぎなかった。

材質分析室では染料分析の真っ最中だ。現在使われている油絵染料5種の無機質成分はもちろん、吳之湖画伯の全体作品に使われた顔料が対象だ。作品ごとに20~30ヶ所を撮ってエックス線蛍光分析機を通じて非破壊で進行する。作業が完了すれば後代の贋作を選び出すのにも役立つと分析室職員イム・ソンジン氏は耳打ちする。エックス線透過撮影装置を使えば、上塗りされて埋められた絵も捜し出すことができる。イム氏は吳之湖の<風景>の下から<裸婦>を捜し出したと言ってX線写真を見せてくれた。修復室と分析室を通過した作品に対する臨床報告書は毎年一冊の本に出す。2005年以来すでに4冊目だ。

この間、こうした分析結果により廃棄処理されたものはクァク・インシク作家の木材設置作品だけだ。虫害が深刻に進み、他の作品に影響を及ぼすことを憂慮し15年前に廃棄された。こういう悲劇を防ぐために、購入作品は収蔵庫に入る前に燻蒸室を通る。外部長期貸与作品も同じこと。殺虫殺菌のための燻蒸ガスを当てることになる。この作業は資格証を持つ外部業者で1年4回程度実施する。一度実施するのに1泊2日かかる。

作品保全管理室は最近、10年長期計画を立てている。寄贈作品を含め管理対象1万点余りに達し、所蔵品の性格を明確にする必要ができたためだ。最近学芸職を補強したのもそのような訳だ。「ニューメディア,建築,デザインなど新たに浮上するジャンルに対する収集方針を含めて総体的方向を再設定する計画です。」チェ・ウンジュ室長の説明だ。 文・写真 イム・ジョンオブ選任記者 blitz@hani.co.kr

原文:https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/351063.html 訳J.S