「カフェのマスター」は、ロマンチックな職業だ.
カフェとは、かぐわしいコーヒーや甘いデザートの香り、ムーディ─な音楽と共に日々を過ごす空間である。そんな空間で細々と自分の好みを満喫しながら働くのがカフェのマスターである。カフェの主人は、その中で一日の大半を過ごす.
しかし、悪く言えば自から作りあげた監獄にもなるわけだ。一生懸命、最善を尽くし、やっと夢のマイ・カフェを作りあげたと思ったら、売上という恐ろしい刑務官が見張っている鉄壁の刑務所に見えたりもする。売上のために簡単に店じまいすることもできず、お客さんがいれば席を外すことも容易でない。このように長い時間をカフェという限られた空間で過ごしていると、すぐに退屈になってしまうのは仕方がないのかも知れない。
しかし、自分にピッタリのカフェを作れば話は変わる。実際、多くの人々がこのようなカフェを作り、それなりの平穏な生活を送っている。自分にピッタリのカフェを作るには、インテリアが肝心だ。最初から自分の感性が溶け込んでいるインテリアを用意できれば、それほど良いことは無いのだが、それができなくても少しずつ変えていけば済む話だ。
先ずはカフェに似合う小物や本、装飾品等を一つずつ飾って行くのが大事。初めてオープンするとき、少しゆとりを持ってインテリアする事を勧めた理由もその為である。少しずつ、その内に増えて行く小物でカフェを満たしていけば、いずれ完成する。自分のカフェに似合うのはどんな小物や雰囲気なのかを考え始める時、初めてカフェは自分のスタイルとなる。
結局、マスターが自分のカフェを楽しむために最も必要なことは、自分のセンスを整頓することである。整頓されたセンスを持ってこそ、カフェは監獄から憩いの場に変わる。一日十時間以上は居座らなければならない場所だ。心地よい空間に整えなければいけない。カフェを自分が夢に描いた空間に仕立て上げたとき、初めてお客様が訪れる。
カフェに飾ると良い小物は、本や植物、茶器、額縁などだ。大体カフェによく合う小物は部屋や居間でよく見られるものである。
カフェを飾るに当たって剥製やアンティークなど、大層な物や派手すぎる小物は飾ると逆効果。本は多ければ多いほど雰囲気を落ち着かせてくれる効果がある。新しい本を買うにはお金がかかるので、知人から軽く楽しめる漫画や小説、旅行ガイドなどを貰って飾ると良い。植物はドラセナ等の東洋的な物より、ジャスミンやベンジャミン、南天など穏やかな雰囲気を引き出す花がピッタリだ。
茶器は使いもしない豪華な物より、実際に店頭で使用しているティーカップや皿、マグカップなどを収納するように陳列した方が良い。要約すると、小物や装飾は、特に目立たないものがいいということだ。
全体的に落ち着いた雰囲気なら、お客様ものんびりできるし、飽きも来ない。カフェはただ落ち着いた自分の日常を少し簡潔に整頓して表現する空間で良い。主人がリラックスできる空間を作ろう。そうすれば、お客様も心地好く居られる。
キム·テジョン<カフェ、上手にできるかな?>著者
韓国語原文入力:2012/10/17 17:56