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[社説] ハン前総理の無罪は‘政治検察に対する有罪宣告’

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/503302.html

原文入力:2011/10/31 19:53(1274字)


裁判所が昨日 9億ウォン余りの不法政治資金授受容疑で起訴されたハン・ミョンスク前総理に無罪を宣告した。 昨年4月に5万ドルわいろ授受容疑で起訴されたハン前総理に無罪を宣告したのに続きこれで2回目だ。特定人を狙って二度も同様な過程を経て1審で無罪が宣告されたわけで、検察が当初から無理に前政権の象徴的人物を相手に標的捜査を行ったといっても言い返せなくなった。ハン前総理の言葉通り "政治検察と李明博政府の政治工作に対する断罪" であり "政治検察に対する有罪宣告" というに値する。

昨年ハン前総理を法廷に立たせた最初の事件は、わいろ提供者だと言っていたクァク・ヨンウク前大韓通運社長が現場検証で「総理公館の椅子に5万ドルを置いて出てきた」として、当初の陳述を翻意したことにより検察がどれほど杜撰な捜査を行ったかを赤裸々に見せた。今回の事件でも9億ウォン余りを渡したというH建栄ハン・マンホ前社長が法廷で「検察がはやく出してやり事業も再開できるよう助けると言うので虚偽の陳述をした」として検察での陳述を翻意した。異例的に最初の事件の宣告を翌日に控えて二番目の事件のための押収捜索をするかと思えば、検察での陳述を翻意したとしてハン前社長を偽証罪で起訴するなど検察捜査は度を越した。最初の事件に無罪が出てきたことを挽回するために検察が無理に報復捜査を行ったとしか解釈できない。


現政権が始まって検察の標的捜査に無罪判決が下されたことが1,2件でないということに問題の深刻性がある。政権の序盤期、チョン・ヨンジュ前韓国放送社長背任罪起訴、PD手帳名誉毀損起訴など政権の不正に合わせて標的捜査を進行した事件ごとに全て無罪が下された。結局、盧武鉉前大統領逝去で史上最悪の標的捜査という国民的批判を受けても、わずか7ヶ月ぶりに再び前政権NO.2であった国務総理を標的としたわけだ。


検察は常に標的捜査ではなく情報提供が入ってきたり他の捜査で端緒が捕えられて捜査しただけと弁解する。しかし総理室民間人査察事件をはじめとして最近の釜山貯蓄銀行事件やイ・ククホンSLSグループ会長事件などに見るように現政権の最高実力者に関連した不正疑惑は先読みして徹底的に避けているため国民が検察のそのような弁解を信じられないのだ。


今回の事件は検察がむしろに伏して処罰を待ち激しく自省すべき事件だ。しかし検察にはそのような可能性も希薄で、たとえ自省するにしてもそれで済むことでもない。こういう政治検察を放置すれば司法改革とか法治とかいくら叫んでみても効果がない。すでに経験したように国会だけに任せてできることではない。今回の判決を契機に検察を正すための国民的運動が再び起きなければならない。来年の総選挙はそのための良い契機になりうる。


原文: 訳J.S