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北韓崩壊論の危険性

https://www.hani.co.kr/arti/m_today/m_briefing/451290.html

原文入力:2010-11-30午前08:43:47(1260字)

内部告発暴露サイト ウィキリークスが去る3年間の米国国務部と世界各国に派遣された公館がやりとりした外交文書25万件を公開しました。ここにはパン・ギムン国連事務総長など主要人士の情報を収集しろとの指示や外国政府に対する露骨な圧力行使、闇取り引きなどが含まれています。今回の資料公開で米国覇権外交の醜悪な裏面がそっくりあらわれた形です。

韓半島と関連した懸案もあります。特に李明博政府が北韓崩壊を前提としたシナリオを考えていたという点が注目を引きます。報道によれば、キャスリン スチーブンス駐韓米国大使は「韓国官僚らが北韓政権崩壊の場合、中国が統一韓国を受け入れるよう経済的インセンティブを提供する方案を考慮している」と本国に報告しました。去る2月の報告内容なので、比較的最近の政府認識と見てもよさそうです。

北韓崩壊論は新しいことではありません。1994年、金日成北韓首席死亡に続いたいわゆる‘苦難の行軍’時期、当時の金泳三政府はもちろん米国も北韓崩壊論に重きを置きました。クリントン行政府が1994年に北核凍結を内容とするジュネーブ合意に署名したのも、北韓早期崩壊論を前提としたものと言われていますね? すぐに崩れる政権なので、とり急ぎ北核プログラムを縛っておけば良いということでしょう。

しかし実状はどうだったでしょうか。北韓政権は孤立と飢えにより、調査機関によっては最大で数百万名が亡くなると言われた困難を耐え抜きませんでしたか? 金大中政府の太陽政策が‘北韓崩壊論は現実的根拠が弱い’という前提の上に立つことになったのは偶然ではありません。

そのように死亡宣告を受けた北韓崩壊論が李明博政府になり再び頭をもたげたのです。北韓の急変事態に備えた‘概念計画5029’を‘作戦計画5029’に発展させなければならないという保守勢力の主張が強いですね? 北韓政権が崩壊することがありうるので、その後のシナリオを具体化しなければならないという要求です。ここには金正日国防委員長の健康不安説が影響を及ぼしたと見られます。事実、政府が北韓最高権力の異常兆候や去就などに対し神経を尖らせ最悪の場合に備えるのは当然なことです。

しかし、問題は李明博政府の対北韓政策が、北韓崩壊論一つだけを見て立案されたのではないかということです。政府のめちゃくちゃな対北韓強硬策を見るにつけ考えます。"まもなく滅びる政権なので、更に固く締めつければケリをつけられる" こういう考えではないかということでしょう。どこかでさんざん聞いた声ではないですか? 金泳三政府の対北韓政策です。金泳三政府で体験した最悪の南北関係が今、再演されたのは偶然ではないでしょう。

パク・ビョンス モバイル エディター suh@hani.co.kr

原文: 訳J.S