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【社説】中国、領土問題に冷静に対応を

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/552275.html記事登録:2012/09/18 19:15(1164字)
 昨日は日本が油槽区事件を操作して満州事変を起こしてちょうど81年になる日だった。中国人は普段もこの日を国恥日と感じ、‘忘れずにおこう、9・18の恥辱’と繰り返してきた。今年は尖閣諸島(中国名・釣魚島)の問題まで重なって反日の雰囲気が従来以上に緊張が高まった。政府から一般市民まで、地域も老若男女を問わず全中国が反日の雰囲気に包まれているといっても過言ではない。そのはて中国側があたかも人海戦術を駆使するように1000隻の漁船を尖閣側に出発させたのだ。  問題のきっかけを起こしたのは日本だ。日本の野田政権は中国の相次いだ警告にもかかわらず、尖閣諸島を国有化して同国を刺激した。極右指向の石原慎太郎が知事を務める東京都が買いとって無分別ないざこざを引き起こすのを防ぐという名分を打ち出していたが、中国としては現状から踏み出した行為と受けとめざるを得ない措置であった。そうした点から中国が非難声明を出して、領海基線を宣言するなど、政府次元の極めて強い措置を取ったことは理解するに値する。
 問題は中国政府側の反発が一般人水準まで広がって、政府が冷静に管理できる水準を越えているという点だ。すでに中国の一部地域では日本人と日本企業に対する暴行事例が多数出ている。尖閣諸島周辺でも漁船の領海進入をめぐってややもすると中-日警備艇の間に物理的衝突が広がることがありうる。今のところは中国の攻勢と日本の自制の様相で事態が展開しているが、いつどんなトラブルがおきて両国の民族主義対決に飛び火するかも分からない状況だ。
 領土問題を外交的方法で解くことは極めて難しい。1978年中-日平和友好条約を結びながら当時の鄧小平副総理が尖閣問題に関連して "次世代は私たちよりはるかに賢いから皆が受け入れられる良い方法を見出すだろう" として、問題を棚上げにしたのもそのような事情を考慮したからだろう。
 今中国が駆使している解決法は頭より力の論理に片寄っている。地域および世界の平和と安定に強大な影響力を行使する国の姿としては残念な思いがする。過熱された感情を自制して平和的な解決を模索することを願う。日本も、独島(ドクト)が露日戦争と関連しているように、尖閣問題の根源が日清戦争にあるという点を素直に認めて、歴史の清算次元で接近することを願う。尖閣と独島(ドクト)のあつれきから共通して得られる教訓は現状打破や民族主義を前面に出すと領土問題を解決することができないということだ。
原文: 訳T.W