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[社説]北のレストラン入りを禁じて核兵器を防ぐ?

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/539152.html原文入力:2012/06/22 21:41(1366字)
 国家情報院が最近在外公館にわが国から観光客と海外居住者の北朝鮮のレストラン利用を自粛するようにしろとの公文書を送ったという。ヨーロッパのイタリアやチェコの大使館、東南アジアのタイやベトナム大使館と中国のチンタオ総領事館など20個所余りの在外公館に公文書が送られ、このうち10個所余りでホームページに‘北朝鮮レストランの利用を自制しよう’という名の公示を上げた。  公館は "北朝鮮は海外から稼いだ収入を独裁政権維持および核・ミサイル開発など軍事力強化に投じる" として "北朝鮮レストランで支払う費用は独裁政権と軍事力強化に資金を支援するようだ" と記している。すぐにこれに気づいた外交部は公館に公示をおろせとの公文書を送ったという。
 夏休暇シーズンをむかえて国外で北朝鮮レストランを利用する事例が増えると見て国家情報院があらかじめ出したものだが、発想自体が情けない。核開発を何とか防ごうとする意思は立派だが、度を超えた論理の飛躍だ。開城(ケソン)工業団地を通じて毎年5500万ドルの外貨が北朝鮮に流入しているのが現実だ。北朝鮮レストランの出入り禁止では経済的な効果がないのみならず民間次元の交流まで凍りつかせる逆効果を生むだけだ。外国で好奇心にしろ同胞愛にしろ北朝鮮レストランに行って食事を一回取るということに北朝鮮の核で詰め寄るのは度が過ぎている。
 国家情報院と在外公館が一緒に外国でまで反北朝鮮追求に乗り出す姿は見苦しい。いくら対北朝鮮の業務にしても水準以下の国家情報院の要望に呼応した外交官たちの主体性のなさも情けない。国家情報院は国外で北朝鮮レストランに行かない運動のような反北朝鮮追求に熱を上げるのではなく、本来の対北朝鮮情報収集業務に力を注がなければならないはずだ。
 大統領選挙を6ヶ月後にした時点で、外交安保部署の反北朝鮮追求・安保が猛威を振るうのは深刻な問題だ。軍は先日‘第一野党にも従北(北朝鮮シンパ)勢力が存在する’などの論理を前面に出して部隊別に‘従北精神教育’に乗り出した。国防長官は堂々と "従北勢力の実体に対して教育するのは当然だ" と保護して出た。政治的中立を守らなければならない軍はもちろん在外公館まで安保に走るバックに見えざる手が作用しているのではないのか疑わざるをえない。
 年末の大統領選挙時は歴代大統領選挙史上初めて在外国民投票が実施される。在外公館がすでに国内権力の指図を受けて一方に偏るような形態を見せるのは問題だ。国家情報院は海外で無駄にいたずらをする考えはするな。在外公館も大統領選挙で厳正中立を守るのには小さな瑕疵もあってはならない。
原文: 訳T.W