原文入力:2012/06/17 14:43(1653字)
←朴槿恵議員. ハンギョレ資料写真
独裁者の娘だからではなく独裁者の反憲法的精神世界の継承が問題
国民が選出した国会議員を除名するとは…自由主義原理に正面背反
‘アストラルする’という表現を初めて聞いた時はまったく何の意味なのか想像もできなかった。 親愛なるネイバー知識人に尋ねると、星や霊的世界と関連した‘astral’という外国語に由来し、‘現実とかけ離れている、理解し難い、とてもあきれる’という意味を持つのだという。 それより馴染みやすい表現としては‘概念がアンドロメダ’という言葉もある。
アンドロメダはギリシャ神話に登場する王妃カシオペアの娘であり、英雄ペルセウスの妻だ。 太陽系が属する私たちの銀河から250万光年ほど離れている螺旋形銀河の名前でもある。 この言葉は‘概念がない、とても遠くへ行っている’という意味だと解説されるが、何らかの言動に対する‘迂迴的ながらも辛らつなヤジ’と見れば良い。 あるツイッター使用者は、議会活動をして周遊費を過度に多く使い論難になった前職国会議員に対してこのように話したことがある。 「その程度ならば周遊費が多いとは思いません。その方は地方区が‘アンドロメダ’なので。」
‘国家観’云々するファシスト的発想
ところで‘概念がアンドロメダ’な方々に朗報がある。 米国の科学者が地球上空に設置されたハッブル望遠鏡の観測結果を土台に私たちの銀河がアンドロメダ銀河と約40億年後には一つの銀河に合わさると展望したのだ。 一種の銀河間吸収・合併がなされるということだが、‘概念がアンドロメダ’な方々としては自身がそちらに先に行った先発隊に過ぎないと主張する余地ができたのだ。 もちろん先発隊と言うにはあまりに早く行った。
←‘アストラル’する朴槿恵
セヌリ党朴槿恵議員が統合進歩党のイ・ソクキ、キム・ジェヨン議員に対して「基本的な国家観が疑問に思われる人々が国会議員になってはならない。 辞退しないなら除名しなければならない」と言ったと伝えられた。 私もいわゆる‘党権派’という方に深刻な問題があると考える。 しかし彼らを制御するために持ち出す武器が‘国家観’ではない。 一部の人々が伝家の宝刀として使う‘愛国’‘国家’という用語は誤って使えば彼らが愛してやまない‘自由民主主義’と真っ向から反する言葉になる。 この方が自分たちに便利なように使ったせいで、その意味が紛らわしくなったが、用語だけで見るならば自由民主主義は‘自由主義’と‘民主主義’の合成語だ。
ところで国家観という目に見えない思想を理由にどうであれ国民が選出した国会議員を除名するという態度は憲法の一つの軸である自由主義原理に正面から外れ、自由主義の保障なしに民主主義は花咲くことはできない。 私たちの憲法の思想と相克するものだけを見ようとするなら、国家観を理由に政治家を強制的に退出させるというファシスト的発想は党権派議員に劣らず深刻な問題だ。 憲法原理を深く悩む余裕がない一般人ならば分からないが次期大統領になる可能性が高い政治家がする話ならば全く違う。
反憲法的精神世界を継承した朴槿恵
朴槿恵議員が保守派によって思いもよらず美化された独裁者の娘という遺伝的事実は重要ではない。 重要なのはその独裁者の反憲法的精神世界を継承しているという点だ。 その精神世界は40年前の1972年維新時代であっても、40億年後であっても変わらずアンドロメダのそれだ。 新しいミレニアムが到来して10年を越えたというのに、いまだに‘国家観’を云々するあきれた話を聞かなければならないその気持ち、真に‘アストラル’する。
チョ・グァンヒ弁護士
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/538078.html 訳J.S