原文入力:2012/06/03 19:15(1974字)
←イ・トンゴル翰林(ハンリム)大財務金融学科客員教授
競争国家より法人税率低いのに
租税減免に電気料金支援まで
‘財閥福祉病’を憂う状況
参与連帯の最近の報告書によれば、財閥に対する租税支援が実に途方もない。 2010年製造業外部監査対象企業に対する租税支援額は総額8兆4321億ウォンに達したが、その内10大財閥が5兆ウォン(59.1%),大企業が7.1兆ウォン(84.3%)を持っていった。 反面、中小企業支援額は全て合わせてもやっと全体の15.7%に過ぎない1.3兆ウォンにしかならなかった。 三星(サムスン)グループが2.9兆ウォン(33.9%),その内、三星電子が1兆8442億ウォン(21.9%)を持っていったので、大韓民国の中小企業が持っていったものを全て合わせても三星グループが一人で持っていったものの半分にもならず、三星電子単一企業が一人で持っていったものよりも5000億ウォン以上少なかった。 租税支援の財閥一人占め構造をよく示している。 これは2010年単年の数値だ。 我が国の財閥は毎年この程度の恩恵を受けている。
財閥と財閥の口の役割をする保守学者は我が国の法人税率が外国に比べて訳も無く高いと嘘を言い、税金負担のために生死を賭けた国際競争でわが国の大企業が致命的に不利だと主張したりしている。 しかし、我が国の法人税率は競争国に比べて低いだけでなく、各種租税減免などの恩恵が多く我が国の財閥が実際に払う実効法人税率はより一層低い。 2010年基準で10大財閥企業の平均実効法人税率は15.1%で、三星グループと三星電子の場合はそれぞれ11.7%、11.9%に過ぎなかった。 中小企業の実効税率が22.0%であり財閥大企業の税金負担は中小企業の半分水準だ。 大韓民国の大多数の庶民・中産層サラリーマンより税金を少なく払っている。 財閥が国民と中小企業から税金支援を受けているということだ。
それだけではない。 30大財閥グループが2006年から2011年までに電気料金の割引を受けた金額は約3兆8000億ウォンに達したが、その内、三星が7500億ウォン、現代自動車が5200億ウォンの割引特典を受けたという。 住宅用電力は産業用より50%も高いので、一般庶民・中産層家庭で毎月電気料金6万ウォンを払うとすれば、そのうちの2万ウォンは産業用電気料金を代わりに払ったことになり、その中で概略半分程度の1万ウォンは30大財閥の電気料金を代わりに払ったということだ。 概略計算してみれば中産層家庭が毎年2万4000ウォン程度を三星グループに、そして1万7000ウォン程度を現代自動車に肩代わりしているという話だ。
その他にも財閥企業が国民から受けている恩恵は多く、いちいち列挙できないほどだ。 いくつかだけを選べば、例えば財閥大企業に必要な研究開発(R&D)を政府が次世代、未来の食料、緑色成長を云々しまくって国民の税金で代わりに負担したり、李明博政府が人為的高為替レート政策を駆使して国民をして輸出大企業に途方もない規模の輸出補助金を支給させたり、財閥大企業に有利に財政支出を執行したりしているということだ。
我が国の財閥は今まで国民の助けを受けて成長した。 しかしもう国家の支援を受けなければならない程に虚弱ではなく、国家から特典を受ける資格がある程に働き口を創出したり、国民所得向上など国民経済的寄与をしているわけでもない。 しかしすでに強大な政治的影響力を確保した財閥は、自分たちに政府の各種特典がより一層集中するよう国家と社会に影響力を行使している。
財閥が 「利益は私有化して、費用は社会化する」構造が固着されたと言っても過言ではない。 大韓民国はそれこそ‘財閥社会主義’国家だ。 財閥の天国になった。 我が国の財閥は依然として各種の支援性特典を一人占めし、それに依存しようとしている。 ‘財閥福祉病’に罹っている。 保守学者・マスコミが自由市場経済を云々する時、彼らが実際に擁護するのは財閥社会主義経済体制であり、彼らが庶民の福祉病を心配する時に実際に心配しなければならないのは財閥福祉病だ。
財閥社会主義を廃止して財閥福祉病を克服できなければ、我が国の未来はない。 財閥社会主義体制を廃止する作業が財閥改革であり、財閥福祉病を克服する作業が経済民主化だ。 財閥改革と経済民主化が現時点で切実に必要な理由だ。
イ・トンゴル翰林(ハンリム)大財務金融学科客員教授
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/535855.html 訳J.S