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[社説]脱北者、南北および韓-中関係改善と連動させて

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/520544.html記事登録:2012/02/23 20:16
 中国内の北脱出者の強制的な北送還問題が、韓-中間外交問題に広まるか心配する声が多い。わが政府は難民・拷問防止協約などの遵守を公に促して、従来の‘静かな外交’を捨てる態勢だ。これに対して中国政府は既存の政策厳守の方針を明らかにして退く態度が全くない。  中国内の北脱出者の北送還反対運動と世論を意識したわが政府が、中国に対するプレッシャーを強める場合、中国も反発の度合いを一層高めることは当然明らかた。そうなると最も大きい被害を受ける者はまさに脱北者だ。彼らを実質的に助けることができる方案を用意しなければならない。
 俳優のチャ・インピョ氏が言うように脱北者を助けることに左右の理念の違いがあってはならない。彼らが強制的に北に送還されて死の危機にひんしてはならない。中国政府は人道主義的次元から脱北者問題に対応しなければならない。しかし事の是非を別にして、中国が北の崩壊につながるかもしれない大量脱北の事態に対応する際に同盟国である北の要求を黙殺して韓国政府の要求をより尊重すると期待するのは非現実的だ。非難の雨と圧迫にも中国が持ちこたえるわけだ。非難と圧迫が激しくなるほど中国はかえって脱北者の取り締まりと強制送還を強化する公算が高い。脱北者の問題は騒ぐほど、政治・外交問題化するほど解決はさらに難しくなる。‘静かな外交’がだから必要だった。
 李明博政府の開始以後、強制的な北送還の頻度が高まり、韓-中間で行われる脱北者の第3国行のための協議はなおさら難しくなったという。これは脱北者の数が増えたためもあるだろうが、北韓-中国が接近して韓-中が遠ざかる情勢変動とも関連している。言ってみれば韓-中関係が揺らいで脱北者対応の協力体制も崩れたし、問題解決はそれだけさらに難しくなった。逆に南北関係が良くなれば韓-中関係も良くなって、脱北者問題の解決もよりスムーズになることができるという話もある。前の政権の時がそうだった。過去の東西ドイツのように、南北関係がさらに改善されれば、中国を経由しないで南北の間で非公式的な直接交渉を通じて、北へ拉致された人や国軍の捕虜など今まで対応できなかった人々まで含んだ北朝鮮内の政治・経済的難民の韓国入国を経済支援などと引き換える手段も模索できる。
 南北関係を行き詰らせたまま中国内の脱北者の強制北送還を非難して政治・外交問題化するのはことを一層こじらせかねない。脱北者を直ちに実質的に助けられるあらゆる具体策を講じるべきだが、南-北および韓-中関係変化と連動させてより構造的で長期的な見識で解決していく必要がある。
原文: 訳T.W