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[ニュース分析]韓国、第1四半期の成長率1.3%…「予想外の成長」維持は可能か

登録:2024-04-29 10:12 修正:2024-04-29 10:43
大統領室のソン・テユン政策室長が25日、ソウル龍山の大統領室庁舎で、第1四半期の実質国内総生産(GDP)の成長率など経済懸案関連のブリーフィングを行っている/聯合ニュース

 韓国で第1四半期の経済成長率(1.3%、対前期比・実質基準)が発表された後、予想を上回る景気回復傾向が今後も続くかどうかをめぐり、様々な議論が起こっている。政府内部では、年間基準で2%半ば台の成長の可能性に重きを置いている。一方、一部の専門家は依然として対内・対外的な不確実性が高いという点を挙げ、慎重論を展開する。特に韓国の最大輸出市場である米国の経済が予想外に低い成長を示したことに警戒心を持たなければならないという声も上がっている。

 第1四半期の成長率1.3%は、政府の予想値(0.5%)の2倍を上回る。市場の予想値も0.6%だった。25日の韓国銀行の成長率集計発表直後、企画財政部をはじめ大統領室までがブリーフィングを開き「景気回復の青信号」と強調したのには、予想外の成長に鼓舞された政府の内心が表れている。企画財政部の関係者は、28日のハンギョレの取材に「第1四半期の成長率が1%に達する可能性はあるという判断はあった。だが1.3%は全く予想していなかった」と述べた。

 予想外の成長ぶりに、政府は年間成長率の見通しの上方修正を図っている。従来の見通しは2.2%。企画財政部の主要当局者は「成長経路がやや上向きになったのではないかと思う。年間基準2%半ば台の成長率を記録する見通しだ」とし、「経済協力開発機構(OECD)も近いうちに行う世界経済見通しの修正で、韓国の成長率見通しを引き上げると期待する」と述べた。政府の成長率見通し修正は、7月頃に発表される下半期の経済政策方向に盛り込まれる。

 楽観論が広がる政府とは異なり、市場ではもう少し慎重な見方が出ている。まず、第1四半期の予想外の成長には一時的な要因がある程度作用したという点に注目する見方がある。韓国銀行も第1四半期の成長率発表後の記者説明会で「平年より温暖な冬の天候」と「新型携帯電話リリース効果」を指摘した。暖かい天候のおかげで建設現場の作業の進行も活発になり、外部活動も増えて投資と消費が期待以上に善戦したという話だ。実際、民間消費と建設投資の第1四半期の成長貢献度はそれぞれ0.4ポイントに達する。民間消費の善戦も、海外消費分が反映された錯視という見方もある。

 このような要因を取り除けば、韓国経済が置かれている高物価・高金利という現実はそのままだ。むしろ年初の予想よりも物価不安はさらに深刻化しており、高金利の長期化の可能性はさらに高まった。特に、イラン・イスラエル紛争による中東危機の高まりで原油価格と為替レートが上昇し、不確実性がさらに深まった。漢陽大学のハ・ジュンギョン教授(経済学部)は「物価や原油価格などで不確実性が高く、年初に予想していた景気の流れが変わるとみるには早いのではないか」と述べた。

 25日(現地時間)に発表された米国の第1四半期の成長率(1.6%、年率基準)は、このような慎重論を後押しする。市場予想値(2.4%)を大きく下回った成績表から、韓国の成長を導く輸出の改善の勢いに暗雲が立ち込めるのではないかという疑問が生まれている。米国は韓国の最大の輸出市場だ。

 政府は、米国からの警告音には比較的慎重な態度を示した。政府の主要当局者は「米国の成長率を分解してみると、内需よりは輸出部門が予想を下回っている。この点で韓国の輸出に直ちに問題が発生するとは予想しがたい」と語った。政府は、米国は成長率速報値と暫定値の間の変化が大きいという点も強調している。

 ハイ投資証券のエコノミスト、パク・サンヒョン氏は「米国の成長率鈍化が半導体を含む韓国の輸出の景気に悪影響を及ぼしうるという点を念頭に置くと、今後(韓国の)成長経路は楽観できない」とし、「安堵するよりも緊張感をもっと強化しなければならない時点」だと述べた。

チェ・ハヤン、アン・テホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1138489.html韓国語原文入力:2024-04-29 07:58
訳C.M

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