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残高なしの通帳から現金引き出し…エチオピアの銀行で4000万ドル流出

登録:2024-03-21 08:28 修正:2024-03-21 09:50
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 エチオピアのある銀行で、口座にある残高より多くの金額を引き出したり、他の銀行に送金できてしまう不具合が発生し、わずか6時間で60億円を超える額の流出が発生した。

 18日(現地時間)の英国BBCの報道によると、16日深夜、エチオピアの主要銀行であるエチオピア商業銀行(CBE)で、システムの保守・点検をしていた際に技術的な問題が発生し、実際に口座にある残高より多い金額を現金で引き出せたり、他の銀行口座に送金できてしまう不具合が発生した。

 同銀行は、不具合発生の6時間後に全取引を凍結させたが、それまでに流失した額は4000万ドル(約60億円)を超えたと、BBCが報じた。ただし同銀行は、総資産に対する損失は大きくない水準だと明らかにした。事故が発生したエチオピア商業銀行は、1942年に設立された。当初は発券力のある中央銀行の役割まで担い、2021年時点でエチオピアの全預金の67%を保有している。

 被害額の4000万ドルの大部分は、大学生が引き出したり送金したとみられる。学生たちが電話やメッセンジャーなどで銀行の不具合の状況をシェアし、事故の規模が拡大したのだ。エチオピアのある大学生は「深夜0時からの2時間で多くの友人が銀行からお金を引き出した」と述べた。BBCは「エチオピア西部のある大学校では、警察がキャンパスに到着して阻止するまで、現金自動支払機(ATM)の前に学生たちが長い列をつくっていた」と報じた。

 エチオピア中央銀行は17日に声明を出し、「金融システム全体を危険にさらす事件ではない」と表明しながらも、顧客が引き出しだり送金した金額の回収については言及しなかった。一部の大学は学生たちを対象に、お金を返すよう勧告する声明を出したが、実際の回収にどれほどつながるかは不透明な状況だ。

 現在、同銀行の職員たちが大学の構内を回りながら、学生たちが引き出していったお金を回収しようとしていると報じられた。地元メディア「ボルケナ」は、同銀行が中央銀行や連邦保安軍などと共にタスクフォース(TF)を編成し、資金回収に乗り出したと報じた。

チョ・ヘヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1132879.html韓国語原文入力:2024-03-21 01:32
訳M.S

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