グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)が最近、グーグルの生成人工知能(AI)サービス「Gemini」の画像生成の不具合に関して続く論議について、「容認できないことであり、私たちの誤り」だと認めて謝罪した。
グーグルのGeminiに追加された画像生成機能が、アインシュタインを黒人として描くなどの不具合を起こして物議を醸したことを受け、先月28日(現地時間)、ピチャイ氏はこの内容についての電子メールを職員に送った。米国オンラインメディア「セマフォー」が報じた。ピチャイ氏は電子メールで「画像生成機能の不具合によって利用者に不快感を与え、偏見を示した」として、「容認できないことであり(unacceptable)私たちの誤り」だと明らかにした。
これに先立ちグーグルは先月1日、Geminiに画像生成機能を追加した。それを受けてこの機能を使用した利用者から、Geminiがアインシュタインなどの歴史的人物を有色人種として生成したり、ナチス・ドイツの軍人をアジア人として描写するなどの不具合が続いているという指摘が、SNSのX(旧ツイッター)などを通して提起された。結局グーグルは22日に「人物画像生成機能」を一時停止した。
しかし、その後も非難が続いた。テスラのイーロン・マスクCEOは28日(現地時間)、自身のXに「グーグルのGeminiは、極度に人種差別的かつ性差別的(super racist and sexist)」だと投稿した。
グーグル検索やアルファ碁(AlphaGo)などでAI技術の分野をリードしてきたグーグルは、2022年末にChatGPTをリリースしたOpenAIと同社に投資したマイクロソフト(MS)に生成AIのトップを奪われた後、内部で「コードレッド」(非常事態)を発動するなど、焦る様子をみせた。昨年にAIモデル「Bard」を公開した際にも、生成された返事に不具合が発見され、株価が急落したことがある。今回も、画像生成の不具合の論議で人物作成機能が制限された22日から5日間で、株価が8.7%下落した。
ピチャイ氏は電子メールで、「初期段階ではどのAIも完ぺきではないが、その基準が高いことを知っている」としたうえで、「私たちのチームは、この問題を解決するために24時間努力しており、改善されたプロセスだけでなく、明確な一連の措置と構造変化を導入するだろう」と述べた。グーグルは改善過程を経て、数週間以内に人物画像の生成機能を再び利用可能する計画だという。