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ハマスの指導者、「絶対屈服しない」とのメッセージ…発表から数時間で「削除」

登録:2023-12-27 06:32 修正:2023-12-27 07:46
10月7日のイスラエルへの奇襲攻撃を主導したことが分かり、イスラエル軍の「始末対象1号」に挙げられたパレスチナ武装組織ハマスの指導者ヤヒヤ・シンワル氏/AFP・聯合ニュース

 イスラエル国防軍(IDF)がパレスチナのハマス指導部の中で「始末対象1号」に掲げるガザ地区の指導者ヤヒヤ・シンワル氏が、今回の戦争後初めての公開メッセージを発表し、「(ガザ地区がイスラエル軍に)占領された条件に屈しない」とし、決死抗戦の意志を示した。

 イスラエルのメディア「タイムズ・オブ・イスラエル」などによると、シンワル氏は25日(現地時間)、「アルジャジーラ」に送った書簡で、イスラエル軍を相手に「熾烈で暴力的で前例のない戦闘に直面している」としながらも、「(ハマスの軍事組織が)イスラエル国防軍を粉砕している」と述べた。シンワル氏はハマスの軍事組織アル・カッサム旅団がイスラエル将兵5000人余りを「標的」とし、1500人余りを殺害したうえ、イスラエル軍用車750台を完全または部分的に破壊したとも主張した。

 これに対し、「タイムズ・オブ・イスラエル」は「実際のイスラエル軍死亡者は10月7日の攻撃当時300人余りを除けば、ガザ地区地上作戦戦死者は156人で、シンワル氏が主張する10分の1の規模」だとし、「イスラエルの軍事装備を破壊したと主張した規模も誇張されたもの」だと指摘した。

 シンワル氏は10月7日、ハマスの軍事組織のイスラエル侵攻を計画・実行し、今回の戦争を触発した主要人物として知られている。イスラエルのヨアブ・ガラント国防相は「トンネルに隠れたシンワルを探しだして殺害すること」、「彼はすでに死んだも同然」だと繰り返し警告した。イスラエル軍はシンワル氏を含むハマスの指導部を捕らえるため、専門の特殊部隊まで立ち上げたが、まだシンワル氏の痕跡を見つけられずにいる。イスラエル軍は今月初め、彼の行方に関する決定的な情報を提供する人に40万ドル(5億2千万ウォン)の懸賞金をかけている。

 シンワル氏は戦争開始から2カ月以上公の場に姿を現さず、この日以前まではメディアを通じてメッセージを発表したこともなかった。シンワル氏の初の公開メッセージが出た時点は、仲裁国のエジプトが「3段階による包括的休戦案」を提示し、イスラエル戦時内閣が検討に入った時点と重なる。シンワル氏が現在の状態ではイスラエルとの休戦を受け入れないという意思を国際指導者たちに伝えたものとみられる。

 だが、今回の書簡を報道した「アルジャジーラ」のホームページから数時間で関連記事が削除され、これをめぐり様々な推測が飛び交っている。「エルサレム・ポスト」は同日付で、ハマスと連携したと知られる「カタール・ネットワーク」の報道を引用し、シンワル氏がイスラエル軍との長期戦に突入する準備ができたという意思をハマスの軍事組織に伝えたと報じた。ただし、シンワル氏の今回の書簡には交渉と関連した言及は含まれていないという。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1121813.html韓国語原文入力:2023-12-26 20:14
訳H.J

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