ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、来年3月のロシア大統領選に出馬し5期目に挑戦する意向を公に表明した。ロシアメディア「スプートニク」が8日報道した。スプートニクはこの日、「プーチン大統領がウクライナで展開されている特別軍事作戦(ウクライナ戦争)に参戦したロシア兵士を称える席上で、大統領再選に挑戦する計画を明らかにした」と報じた。ロイター通信などの西側メディアも「プーチン大統領がウクライナ戦争の参戦兵士らと面会した場で、2024年の大統領選に再出馬することを明らかにした」と報した。
ただし、この日のプーチン大統領の発言は、格式を備えた公式発表ではないとみられる。同日のロシア国営タス通信によると、クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官はこの日、「驚くほど多くの人たちが、プーチン大統領の再任を望んでいる」としたうえで、「しかしプーチン大統領は、必要でかつ適切と判断される時に(公式に)発表するだろう。発表の時期は全面的にプーチン大統領の決定にかかっている」と述べた。
そもそもプーチン大統領の次期大統領選への出馬は既成事実化されていた。前日、ロシア上院が次の大統領選を来年3月15~17日に実施する日程を発表し、プーチン大統領も参戦兵士らと面会した場であえて大統領選への出馬の意向を隠さなかったとみられる。BBCはこの日、「野党はほとんど存在せず、ロシアメディアも完全にプーチン大統領の統制下にある」としたうえで、「プーチン大統領の再選は避けられないものとみられる」と指摘した。
ロシア大統領の任期は6年で、プーチン大統領が来年の大統領選で勝利した場合、2030年まで政権を握ることになる。2020年、プーチン大統領は今後自身がさらに2回大統領選に出馬できるよう改憲し、最長で2036年まで大統領職を遂行する可能性がある。1999年12月、当時のボリス・エリツィン大統領の退陣で大統領権限代行を担い権力を握ったプーチン大統領は、以降、大統領や首相に就任して権力の座を維持してきた。プーチン大統領は1952年生まれで今年で71歳だ。
高齢だが、ロシア内部で支持は固いほうだ。この日、ロシアの世論調査センターVTsIOMによると、プーチン大統領の国民信頼率は78.5%であることが明らかになった。国政支持率も着実に70%台半ばを記録している。