サムスン電子が業界最先端の(最小線幅)12ナノメートル(nm・10億分の1メートル)16ギガビット(Gb)DDR5 DRAMを開発し、AMDと共に互換性検証まで終えたと21日明らかにした。ダブルデータレート(double data rate)の略であるDDRはDRAMの規格で、後につく数字が高いほど最新性能を備えているという意味だ。
サムスン電子が開発した12ナノ級DDR5工程は、通常「5世代10ナノ級工程」と呼ばれる。12ナノと具体的な線幅を公開したのは、微細工程の技術力を強調するためとみられる。サムスン電子は昨年10月、業界最先端の14ナノDDR5 DRAMの量産を開始した。サムスン電子の関係者は「誘電率が高い新素材の適用でキャパシタ(電気を一時的に保存する装置・コンデンサ)容量を高め、回路の特性を改善するための革新的な設計で業界最先端の工程を完成した」と説明した。
今回の製品はマルチレイヤー極紫外線(EUV)技術を活用し、より細かい半導体回路を具現化する方式で生産性を高めた。12ナノ級DRAMは、従来の14ナノ製品に比べて生産性が約20%向上した。ウェハー(半導体生産のための円形板)1枚から得られるDRAMの数量がそれだけ増えたという意味だ。動作速度は最大7.2Gbpsで、1秒に30ギガバイト(GB)容量の超高画質(UHD)映画2本を処理できる。消費電力は以前の製品に比べて23%ほど改善された。
この製品は2023年から量産される。サムスン電子メモリー事業部のイ・ジュヨンDRAM開発室長(副社長)は「最善の12ナノ級DRAMは本格的なDDR5市場拡大の起爆剤になるだろう」とし「優れた性能と高い電力効率で、データセンターや人工知能(AI)、次世代コンピューティングなどにおいて顧客の持続可能な経営環境を提供することに貢献するだろう」と話した。
一方、サムスン電子は1992年にグローバルDRAM市場占有率1位に上がった以後、一度も1位の座を明け渡したことがない。今年も40%台以上のシェアで1位を守っている。