本文に移動

韓日外相3回会ったが…強制動員に対する従来の立場貫く日本に韓国外相「困惑」

登録:2022-08-05 06:31 修正:2022-08-05 07:02
パク・チン外交長官が今月4日午後、ASEAN(東南アジア諸国連合)関連外相会議が行われているカンボジアの首都プノンペンで、日本の林芳正外相と2国間会談を行っている=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 韓日外相が1カ月余りで3回も対面したが、両国間の最大懸案である日帝強占期の強制動員被害者賠償問題に対する日本側の立場が変わる兆しが見えない。韓国最高裁(大法院)に意見書を提出し、被害当事者の反発に直面した外交部の悩みは深まるものとみられる。

 パク・チン外交部長官は4日午後(現地時間)、ASEAN(東南アジア諸国連合)関連外相会議が開かれているカンボジアの首都プノンペンで、日本の林芳正外相と35分間にわたり2国間会談を行った。両長官の会談は、先月インドネシアのバリ島で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会談とパク長官の訪日に伴う会談に続き、1カ月足らずで3回目となる。

 パク長官は会談後、記者団に「先月訪日した際、林外相と今後韓日両国の外相間の『シャトル外交』を通じた持続的な対話の推進に共感したことに基づいた会談だ」とし、「今日は短い時間だったが、両国間の過去を直視し、未来志向的に関係を発展させていくための案と、両国の懸案および相互関心事について真剣に意見を交わした」と述べた。さらに「朝鮮半島の状況が厳しいため、韓国と日本、そして韓米日3カ国の協力を持続的に進めていくことで意見が一致した」とし、「ASEANとの関係増進においても韓国と日本の協力がより重要だという点も確認した」と付け加えた。

 これに先立ち、林外相は同日午前に開かれた「ASEAN+3(韓中日)」外相会談で、パク長官に先に挨拶をするなど親近感を示した。しかし、午後の2国間会談では、韓日関係膠着の主な原因である強制動員被害者賠償問題と関連し、従来の立場から一歩も引かなかったという。

 日本側のこのような態度は、3日に自民党外交部会と領土に関する特別委員会が会合を開き、今回の会談に反対するという決議を採択したことで、すでに予見されていた。ただし日本側は同日の会談で「2018年の韓国最高裁の強制動員被害者賠償判決は国際法違反だ」、「韓国側が解決法を用意しなければならない」など、これまで繰り返してきた頑強な主張は展開しなかったという。

 外交部当局者は「(パク長官は)強制動員問題と関連し、早期解決のために日本側の誠意ある措置が必要だという点を強調した」とし、「日本側もこれに真剣に耳を傾けた」と語った。

 これに先立ち、外交部は先月26日、三菱重工業強制労働被害者のヤン・クムドクさんとキム・ソンジュさんに対する商標権と特許権の特別現金化(売却)命令事件を審理中の最高裁民事2部と3部に、解決策作りのために多角的に外交的努力を傾けているという内容を骨子とした意見書をそれぞれ提出した。事実上、最終判断を先送りしてほしいという意味だ。

 だが、被害者側に何の事前説明もしなかったため、被害者代理人団側は「信頼が損なわれた」として、強制動員賠償問題解決策作りのために先月発足した官民協議会に参加しないと宣言した。外交部としては内外で身動きの幅がさらに狭くなったということだ。

プノンペン/チョン・インファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1053584.html韓国語原文入力:2022-08-0422:43
訳H.J

関連記事