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強制動員被害者たち「日本企業が賠償すべきなのに、なぜ韓国政府が乗り出すのか」

登録:2022-07-16 06:51 修正:2022-07-16 07:36
1944年、14歳で名古屋の三菱重工業航空機製作所工場に強制動員されたヤン・クムドクさん=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 強制動員被害者賠償問題の解決策を模索するとして韓国外交部が構成した官民協議会に、三菱勤労挺身隊訴訟支援団体の日帝強制動員市民の会と訴訟代理人団が参加しない方針を示した。

 社団法人日帝強制動員市民の会(以下市民の会)は14日、「外交部の官民協議会に関し、市民の会と訴訟代理人団は参加しない」と発表した。市民の会は13日、強制動員被害当事者のヤン・クムドクさんとキム・ソンジュさんの意見を聞いたうえ、訴訟代理人団と緊急座談会を開き、このように決めた。

日帝強占期に日本によって強制動員された被害者たち=強制動員市民の会提供//ハンギョレ新聞社

 強制動員被害者らは、日本政府が謝罪することがより重要だという立場だ。市民の会によると、ヤン・クムドクさん(93)は「いくら(お金が)なくても、お詫びの一言を聞きたい一心でここまできた。韓国(政府)はそれしかできないのか」と語ったという。被害者たちは韓国政府が賠償金を代わりに支払い、その後日本側に請求する方式(代位弁済)が一部で代案として取り上げられていることについて、「私たち(韓国人)が被害者なのに、なぜ韓国政府が賠償するのか」と反対の意思を明らかにした。キム・ソンジュさん(92)は「三菱で働いたのだから、当然三菱が賠償しなければならない。もし三菱が賠償をしないなら、日本が私たちを連れて行ったのだから、日本政府が賠償しなければならない」と話した。

 市民の会のイ・グゴン常任代表は、「日本企業が損害賠償責任を認めた韓国裁判所の判決を履行していないのが問題の本質であり、解決策の提示を求める日本政府を受け、韓国政府が解決策の模索に乗り出したことで、かえって問題がこじれている。三菱が率直に謝罪し、賠償するのが解決策」だと述べた。

日帝強制動員市民の会と訴訟代理人団は今月13日、緊急座談会を開き、官民協議会に参加しないと明らかにした=強制動員市民の会提供//ハンギョレ新聞社

 一方、強制動員被害者であるヤン・クムドクさんやキム・ソンジュさんなど5人(生存2人)は2012年に強制動員の損害賠償請求訴訟を起こし、2018年11月、三菱重工業に1人あたり1億~1億5千万ウォンの賠償を命じる最高裁(大法院)の確定判決を受けたが、三菱側は協議と交渉を通じた和解方式の問題解決を拒否した。これに対し、ヤンさんなどは三菱重工業が韓国で所有している商標権2件と特許権6件に対して差押え命令を裁判所に申し立て、認められたうえ、売却決定も出た。三菱側はこれを不服とし、即時抗告したが、地裁で棄却され、最高裁に再抗告した。

チョン・デハ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/1051109.html韓国語原文入力: 2022-07-1515:50
訳H.J

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