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中国、微博コメント作成者の居住地を公開…防疫反発・ロシア反戦世論「締めつけ」

登録:2022-05-02 20:07 修正:2022-05-02 22:35
2日、微博のコメントに作成者の居住地域が公開されている=微博キャプチャー//ハンギョレ新聞社

 中国が自国のソーシャルメディアである微博(ウェイボー)にコメントを書いた人の居住地域を露出させ、自国の歴史解釈に反する叙述のコンテンツに対する通報を促している。新型コロナ事態が深刻化し、ロシアのウクライナ侵攻事態が続く中で、オンライン検閲を強化している。

 微博は先月28日から、コメントを書き込んだ人の居住地を省単位まで露出している。例えば、浙江省や蘇州に居住する人がコメントした場合、コメントの末尾に「浙江」と表示され、山東省青島に居住する人がコメントした場合には「山東」と表示される。微博はこの日「当事者詐称、悪意のねつ造、トラフィック増加誘導などの不良行為を減らし、伝達内容の真実性と透明性を確保するために、3月から使用者のアカウントのIP所在地を公開した」と明らかにした。海外利用者の場合にはその居住国家が公開される。

 たとえ省単位の居住地の公開だとはいえ、ネットユーザーは相当な負担を感じている。当局が個人の住所地など具体的な情報を把握しているという事実を意識せざるをえないためだ。一部のネットユーザーは「コメントを書き込むのが慎重になる」「締め付けられるようだ」という反応を示した。

 当局の歴史解釈に対抗する、いわゆる「歴史虚無主義」を内包した掲示物に対する検閲も強化された。「新浪看点」やニュースアプリの「今日頭条」、中国版TikTokの「抖音(Douyin)」などの中国ソーシャルメディアは先週初め、共産党が公認した歴史叙述に抗う内容の掲示物を通報するよう促す公示を出した。微博を運営する新浪(Sina)の動画プラットフォームである新浪看点は先月24日、利用者に「歴史的虚無主義」を含むコンテンツを上げた場合、アカウントが永久に削除されることがあると警告した。中国で歴史虚無主義とは、党、国家、軍の歴史に関連した敏感なテーマに疑問を投げかけたり、党や政府の指導者を誹謗し、中国文化、社会主義文化、革命文化をけなすことなどを意味する。

 今回の措置は、今秋に習近平国家主席の3連任決定と関連があるとみられる。最近、上海防疫が長期化し、微博などには当局の防疫政策を批判する掲示物やコメントが少なからず現れている。また、ロシアのウクライナ侵攻が長期化し、ロシアを批判する世論を徹底的に削除するなど、統制の強度を高めている。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1041247.html韓国語原文入力:2022-05-02 16:57
訳J.S

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