韓国政府が18日、現在「私的な集まりの人数6人まで、営業時間夜9時まで」となっている社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)のレベルを調整すると予想される中、小規模事業者は営業時間制限の廃止を求める一方、防疫専門家らは慎重を期すべきだと主張している。これを受け、政府は営業時間を現在より1時間増やす案を有力に検討しているという。
中央防疫対策本部は17日0時現在、新型コロナウイルス感染症の新規感染者が9万3135人だと発表した。同日午後9時の「聯合ニュース」の集計基準では10万870人に達し、初めて10万人を超えた。医療機関に入院中の重症患者も389人で、前日より76人増えた。防疫当局が関連統計を取り始めた2020年3月末以降、一日の発生基準では過去最多。1月28日から200人台を維持していた重症患者は、今月13日から300人台になり、400人台を目前に控えている。一日の新規感染者が毎週倍増する新規感染者急増の局面で、重症者の増加は自然な流れだ。自宅療養の対象者も31万4565人で、1日で4万8525人増えた。
オミクロン株の拡散は上昇曲線を描いているが、政府は社会的距離措置をやや緩和する方針だ。政府が距離措置の緩和に重きを置くのは、オミクロン株の特性のためだ。オミクロン株はデルタ株に比べて重症化率と致命率が低い。中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は同日の中央捜査本部のブリーフィングで、「重症患者の増加速度はデルタ株に比べて著しく低くなっている状態」だとし、「中等症病床を弾力的に運営する案などで、1500~2000人の(重症患者)まで十分受け入れられる」と述べた。また別の政府関係者も本紙との電話インタビューで、「オミクロン株の特性を考慮した柔軟かつ効果的な防疫対策が必要ではないかと考えている」と述べた。
距離措置の調整案の発表を控えて開かれた日常回復支援委員会の会議でも、緩和をめぐり意見がはっきり分かれた。日常回復支援委員会は政府関係者や経済・社会・自治・防疫分野の専門家などによる政策諮問機関だ。委員会経済民生分科委員のノ・グァンピョ韓国雇用労働教育院院長は「小規模事業者たちは営業時間制限の廃止を要求した。しかし政府はそこまではできないという立場だった」とし、「今はあまりにも(距離措置に対する)疲労度が高いため、やや緩和されるだろう」と述べた。さらに「小規模事業者たちは、政府が2~3週間(距離措置を)強化してから緩和すれば感染状況が好転すると言った回数だけで20回以上だと指摘した」とし、「彼らは政府に今後2~3カ月の流行の流れを予測し、日常回復のロードマップを作ってほしいと求めた」と伝えた。
防疫専門家らは距離措置の緩和に慎重を期すべきだという見解を示している。日常回復支援委員会防疫・医療分科委員のユン・テホ釜山大医学部教授(予防医学)は「病床や重症患者数より、保健所の人員など社会必須機能の安定性問題の方が大きい」とし、「こうした部分を考慮すると、新規感染者数がピークに達するまで、現在の水準を維持するのが合理的な案ではないかと思う」と述べた。
政府の悩みも深まっている。昨年11月、高齢層のワクチン免疫力が下がる状況を過小評価し、距離措置を大幅に緩和して、事実上、医療体制の麻痺を経験した二の舞になりかねないという懸念のためだ。中央防疫対策本部(防対本)のイム・スギョン状況総括団長も同日のブリーフィングで「現在の状況からみて、新規感染者の増加が続き、重症患者もやや増加傾向に転じたため、この状況を安定的に再度転換させることが必要だ」と説明した。
このため、当初は「人数8人まで、営業時間10時まで」が有力視されていたが、政府は人数制限をそのまま維持する一方、営業制限時間だけを現行より1時間延長する案に重点を置いて検討している。政府は日常回復支援委員会の意見を踏まえ、防疫戦略会議で最終的な距離措置の調整案を調整する方針だ。