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ユン候補「女性家族部廃止」論に、正義党候補「支持率挽回のために差別と憎悪を煽る」

登録:2022-01-10 08:29 修正:2022-01-10 09:05
正義党の大統領候補シム・サンジョン氏が8日、国会議員会館で開かれた労働選対委の発足式で発言している=正義党選対委提供//ハンギョレ新聞社

 正義党の大統領候補シム・サンジョン氏は、国民の力のユン・ソクヨル候補が女性家族部の廃止を主張したことについて「怒りを禁じ得ない」とし「墜落した支持率を挽回するためなら若者を性別で分断し、差別と憎悪を煽ることさえはばからない候補に、指導者としての自覚があるのか問いたい」と述べた。

 シム候補は8日、フェイスブックに投降した文章の中で「ユン候補の候補選出後、SNS上で多くの女性たちが惨憺たる心境を吐露し、今回の大統領選で女性の存在は消されたのかと問う多くの文章に接して、自分は少なくとも慰めと勇気を与えなければならないと思い、真っ向から対応した」と述べた。シム候補は、ユン候補が今月7日夜にフェイスブックに「女性家族部廃止」という7文字を書き込んだことに対し、「女性家族部強化」と記していた。

 シム候補は「私の週休3日制公約については時期尚早だと言われるが、女性家族部廃止こそ時期尚早だ」とし「女性に対する差別と暴力は厳然として存在する現実だ。不動の世界1位の性別による賃金格差とワンオペ育児は、女性の未来だけでなく大韓民国の潜在力まで蝕んでいる」と指摘した。そして「男性が差別だと感じる部分はそれ自体として解決すべきであり、女性の権益を削ぐことで補充すべきではない」とし「激しい競争の中で未来を奪われた若者の苦しみは、性別を問わず強力な既得権の再調整を通じてスタートラインの格差を縮めることで解消しなければならない」と指摘した。

 シム候補は「私は女性家族部を拡大強化し、『性平等部』に格上げすると公約した」とし「本来、金大中(キム・デジュン)大統領による女性部設立の趣旨の通りに性差別解消と市民の人権を守る役割を強化し、それに性暴力根絶のコントロールタワーの役割を追加して、十分な財政と人材を投入するということ」と説明した。続いて「多くの不必要な混乱をもたらした家族と青少年の機能は切り離し、別組織の児童青少年部として独立させる」とし「女性家族部が本来の事務と無関係なシャットダウン制などのゲーム規制政策を主導したことで、今の20~30代の若者世代から信任を失った部分が大きい。教育部などが担うのが当然のことを番地数の異なるところに持っていった政治の過ち」と主張した。

 キム・ブギョム首相も9日、「女性家族部の廃止よりも、性平等を通じて韓国社会がより豊かになるよう、拡大改編の方が討論されればいいと思う」との考えを明らかにした。キム首相はこの日、韓国放送(KBS)の「日曜診断」に出演し「候補者たちが示した一種の公約なので、私が申し上げるのははばかられる」としつつも「我々の政府は、女性家族部は肯定的な役割を果たしていると思う」と述べた。

 また「例えば、女性家族部は韓国の法が見逃してきた性平等指向的な部分、性認知感受性に欠ける部分について指摘しているが、それなしに我々は先進国になれるのか」とし「女性家族部が発足して20年間、韓国社会で性平等がどれほど重要かを知らしめ、特に女性に社会的に多くの機会が与えられて来なかったことを正すのに、輝かしい功績を作った。戸主制度廃止という韓国の歴史の根本的な変化も引きだしたではないか」と述べた。キム首相は「20代の男性は女性家族部という名前そのものが一種のフェミニズムの象徴だと考えているが、少し間違って認識されているようだ」とも付け加えた。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1026528.html韓国語原文入力:2022-01-09 11:13
訳D.K

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