本文に移動

野党の大統領候補と党代表、対立覆い和解…「手術用ハサミ残して縫合したようなもの」

登録:2022-01-08 09:33 修正:2022-01-08 12:21
衝突の雷管を除去しなかった「ワンチーム」の行く末は 
急いで和解したが、意見は異なったまま 
再・補欠選挙の公認権、アン候補との一本化など 
対立の火種が潜み「いつまた爆発するかわからない」
「国民の力」のユン・ソクヨル大統領候補が7日午前、ミニ列車2両で混雑のため悪名高い金浦都市鉄道(金浦ゴールドライン)に乗って汝矣島の党本部に出勤している=国民の力の提供//ハンギョレ新聞社

 野党「国民の力」のユン・ソクヨル大統領候補とイ・ジュンソク代表が6日、半月以上続いてきた対立を急速に解消したが、「脈絡のない和解」に対する懸念の視線は依然として残っている。「ユン候補の核心関係者(最側近)」の進退とジェンダー問題をめぐる意見の相違、野党の一本化と今後の再・補欠選挙の公認問題など、雷管を除去していない地雷が数多くあるためだ。

 イ代表は7日、MBCラジオとのインタビューで、前日にユン候補と和解したが、「具体的な内容はなかった」と述べた。「ユン候補の核心関係者問題は整理がついたのか」との質問には「特定人物を指摘し続けるよりは、党内の意思疎通体系が円滑にできるかどうかの部分だが、私はクォン・ヨンセ議員に対して無限の期待を抱いている」とだけ答えた。イ代表は先月21日、常任選挙対策委員長職を辞退した後のインタビューで、「蔚山(ウルサン)合意」(12月3日)の過程でユン候補の核心関係者問題を具体的に取り上げなかったことについて、「やや安易だった」と述べた。イ代表は前日、ユン候補の核心関係者だという理由でイ・チョルギュ組織副総長の任命を拒否し、ユン候補と激しい口論となり、結局ユン候補が大統領候補の「党務優先権」を発動して任命を強行した。

 ユン候補の核心関係者問題は、3月9日の大統領選挙と同時に行われる再・補欠選挙の公認候補をめぐり、再び論争となる可能性が高い。再・補欠選挙はソウル鍾路(チョンノ)、瑞草(ソチョ)甲、京畿道安城(アンソン)、大邱(テグ)中・南、忠清北道清州上党(サンダン)の5カ所で行われる。大統領選と関連した公認候補の方向性をめぐり、ユン候補とイ代表の考えが違う場合、再び「イ・チョルギュ任命強行」のような衝突が起こる可能性は排除できない。

 話題にのぼる回数がはるかに増えた国民の党のアン・チョルス候補との一本化問題も雷管となる。イ代表は、アン候補との一本化に断固反対の態度を明らかにしてきた。ユン候補の支持率が下落し続け、一本化への圧力が強まった場合、再びイ代表の「こだわり」が混乱のもととなる可能性は少なくない。

 ジェンダー問題への対処法も明確に整理されなかった。イ代表は20~30代の女性を排除した男性中心の「世代結合」戦略を持っている。ユン候補の「青年中心キャンペーン」は、脱進歩と中道、保守層を合わせた「反文在寅(ムン・ジェイン)統合論」に近い。ある議員は本紙に対し「ユン候補がイ代表と衝突しないようにするためには、20~30代男性の票だけ狙うイ代表の戦略に従わなければならない状況になった」と述べた。ユン候補はこの日、自分のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に「女性家族部廃止」と書き込み、イ代表と歩調を合わせた。

 すでにイ代表が20~30代男性を意識して提案した「ジェンダー・ゲーム特別委員会」新設問題で意見の相違があらわになった。イ代表は特別委員会の委員長にハ・テギョン議員を推しているが、キム・ギョンジン常任公報特別補佐団長はこの日のラジオのインタビューで「ゲームに関する特別委員会は、党の適切な(別の)委員会を通じて行ってもいい」とし、否定的な見解を示した

 党内では、対立の雷管を除去せずに「ワンチーム」だけを叫ぶ「不安な和解」に対する懸念が依然としてある。キム・ヨンファン前選対委人材スカウト委員長は、フェイスブックに「イ・ジュンソクの考えに変わりはないため、後に心配事が起こりそうで怖い。この『美しい和解』は数日も経たないうちに数多くの問題を生む可能性もある」とし「手術でいえば、手術の過程でハサミを腹の中に残したまま縫合してしまったようなもの」と書いた。ある初当選議員も本紙に対し「議員総会で『イ代表が二度と逃げ出さないよう明確な答えをもらわなければならない』という言葉が出たのはよっぽどのことだ」とし「何も変わっていない状況で無理やりくっつけた状態なので、大統領選の直前に爆発しないか不安だ」と述べた。

チャン・ナレ記者wing@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1026483.html韓国語原文入力:2022-01-07 21:55
訳C.M

関連記事