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アジア証券市場が同伴下落…「ゲームチェンジャー」になったオミクロン

登録:2021-11-29 19:40 修正:2021-11-30 08:34
29日、KOSPIは前取引日より0.92%(27.12)下がった2909.32で取引を終えた。写真は同日の明洞のハナ銀行本店ディーリングルーム/聯合ニュース

 新型コロナの新しい変異株オミクロンの襲来により、韓国などアジアの証券市場が同伴下落した。韓国政府は変異株と韓国内外の金融市場に対する24時間モニタリング体制を稼動することにした。

 29日、韓国総合株価指数(KOSPI)は0.92%(27.12)下がった2909.32で取引を終えた。開場の序盤には2900台が崩れ2890.78まで下がった。個人が7610億ウォンの株式を売り越したが、機関投資家がこれを受け取り指数を防御した。旅行(-3.97%)と映画・ドラマ製作企業(-3.67%)の株価が急落した。一方、新型コロナ診断キット企業などが3.16%上がるなど、医薬・製薬企業が強気を見せ、銀行株も2%近く上がった。コスダック(KOSDAQ)指数は1.35%(13.55)下がり、下落幅がさらに大きかった。日本の日経指数が1.63%下落し、香港ハンセン指数も0.95%下落するなど、アジアの証券市場のほとんどが劣勢を見せた。

 ウォン-ドル為替レートは、ソウル外国為替市場で0.3ウォン下落(韓国ウォン価値上昇)し、約1193ウォンで締め切った。グローバルドルの強勢幅が大きくない中で、外国人投資家が韓国の証券市場で買い越した影響とみられる。

 金融市場の不安は数週間は続くとの展望が多い。オミクロンの危険度を検証し、世界経済に及ぼす影響を把握するには時間が必要だからだ。ファイザーやモデルナなどのワクチンメーカーは、既存のワクチンの効果確認に2週間、新しいワクチン開発には2~3カ月かかると発表した。

 これに先立って世界保健機関(WHO)が今年5月にVOC(懸念される変異株変異体)に指定したデルタ変異株当時、KOSPIは高点に対し4%ほど下落した。調整期間は一カ月前後かかった。KOSPIは27日ぶり、KOSDACは34日ぶりに高点を回復した。ただし今回は変動性がさらに大きいとみられている。物価上昇率がきわめて高くなっているため、緩和的な通貨政策の展開が難しくなったためだ。米国の資産運用会社フィデリティは「オミクロンが短期的に経済と市場の“ゲームチェンジャー”になり、市場変動性が以前より高くなるだろう」と予想した。

 証券会社はKOSPIの支持ラインを2800前後と見ている。シンヨン証券のパク・ソヨン研究員は「新しい変異が広がれば、経済活動の再開遅延でインフレーションとサプライチェーンの支障が長期化すると懸念される」として、「KOSPIは帳簿価値(株価純資産比率1倍)水準の2790が底」と判断した。ウォン-ドル為替レートは、当分1200ウォン前後で留まるだろうとの観測が多い。KB証券のキム・ヒョジン研究員は「新型コロナの再拡散はドル高要因だが、米連準と通貨スワップ(対等交換)契約が続いているため、追加上昇は制限的だろう」と予想した。

 企画財政部は、オミクロンによる不確実性要因を認めつつも、韓国金融市場の復元力と経済主導者の適応力などを総合的に考慮しなければならないと強調した。イ・オクウォン企画財政部1次官はこの日、マクロ経済金融点検会議を開き「金融市場別・状況別の市場安定措置手段をいっそう細かく点検し、必要に応じて関係機関と先制的・積極的に対応する」と話した。イ次官は「情報の不足により短期的にオミクロンが国内外の金融市場の変動性を拡大させる不確実性要因として作用する可能性は排除しにくい状況」としながらも「韓国の金融市場の復元力と防疫・医療体系の改善、経済活動の側面で新型コロナ拡散に対するショックの緩衝能力が高まった点などを、総合的に落ち着いて考慮する必要がある」と明らかにした。

ハン・クァンドク、イ・ジヘ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1021256.html韓国語原文入力:2021-11-29 17:32
訳J.S

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