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北朝鮮「SLBMの発射実験、米国を狙ったものではない」

登録:2021-10-22 02:48 修正:2021-10-22 07:53
北朝鮮が今月19日に発射実験を行った新型潜水艦発射弾道ミサイル/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮は、19日の新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験は「米国を意識したり狙ったりしたものではなく、純粋な国家防衛のためにすでに計画されていた事業」だとし、国連安全保障理事会に非公開会議の招集を要請するなどの米国の反応を「非常に憂慮している」と発表した。

 北朝鮮外務省の報道官は20日、朝鮮中央通信の記者の質問に対し、「新型潜水艦発射弾道弾の発射実験は、中長期的な国防科学発展計画を遂行するための正常な活動の一環であり、周辺国と地域の安全にいかなる脅威も被害も与えていない」と答えた。同通信が21日に報じた。

 同報道官は、今回の発射実験は「主権国家の固有の、かつ正当な自衛権の行使」であるにもかかわらず「(米国は)我々の合法的な自衛権行使を国連安全保障理事会の『決議違反』であり、地域の平和と安定に対する『脅威』だと誤導し、国連安全保障理事会に緊急会議の召集を要請するなど、極めて刺激的な動き」を示しているとし、「非正常的な反応」だと反発した。同報道官は、北朝鮮の発射実験に対して糾弾の立場を示した「ホワイトハウス報道官、国務省報道官、インディア(インド)太平洋軍司令部」に一つひとつ言及した。

 また「我々の抑止力は特定の国家や勢力を狙ったものではなく、戦争そのものを防止し、国権を守護するためのものであり、米国と南朝鮮は我々の主敵の対象から排除されている」と再度強調し、発射実験については「(米国は)心配したり悩んだりする必要はない」と述べた。

 同報道官は「我々の正常で合法的な主権行使に言いがかりをつけなければ、朝鮮半島で緊張が誘発される事態は決して起こらないはずだが、米国と追従勢力があくまで誤った行動を選択すれば、より厳重で深刻な結果を招く触媒として作用しうる」と警告した。続いて「米国が保有している、または開発中のものと同一の兵器体系を我々が開発、実験しているとしてこれを非難するのは、明白な二重基準(ダブルスタンダード)であり、朝鮮民主主義人民共和国を敵視していないという彼らの『本気度』に対する疑惑を深めるだけだ」と主張した。

 この日の外務省報道官の応答内容は全般的に、11日の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長による国防発展展覧会「自衛-2021」での記念演説の内容の延長線上にある。金総書記はその日、「我々の主敵は戦争そのものであり、南朝鮮や米国、特定のいかなる国家でも勢力でもない」とし「我々の主権の行使にまで手を出さなければ」という条件をつけて「朝鮮半島の緊張が誘発されることは決してないだろう」と「断言」している。

 北朝鮮は外務省報道官の質疑応答というかたちで、金総書記が何度も強調してきた「二重的な態度と敵視の観点・政策の撤回」要求を改めて強調し、20日(現地時間)に米ニューヨークで開かれる安保理の非公開会議に向けて牽制メッセージを送った。また、北朝鮮の国防力強化の目的と性格は「威嚇」や「挑発」ではなく、自衛権であると改めて強調した。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1016040.html韓国語原文入力:2021-10-21 10:20
訳D.K

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