韓国の産業通商資源部(産業部)は18日、世界最大の自由貿易協定(FTA)と呼ばれる地域的な包括的経済連携(RCEP)に対する国会の承認を下半期に要請すると発表した。
産業部のイ・ギョンシクFTA交渉官は同日、貿易協会をはじめ製造業分野の協会関係者らとの懇談会で、「業界との持続的なコミュニケーションと協議を基に、同協定を活用し、韓国企業にとってチャンスになる部分を発掘し、協定の国会での承認要請を今年下半期に滞りなく進められるよう準備する計画」だと述べた。
RCEPにはASEAN10カ国と韓国、中国、日本、オーストラリア、ニュージーランドが加盟している。昨年11月に最終交渉が妥結し、国会承認を含む国内での手続きが残っている。参加国の国内総生産(GDP)の規模は、2019年基準で25兆6千億ドルで、世界のGDPの30%水準に達する。人口は22億6千万人で、これも世界の30%を占める。
産業部はRCEPへの参加により「ASEANにおける商品市場が開放され、自由化率が92~95%に達し、ゲームや映画などサービス市場開放で国内企業の進出が加速化するだろう」と見通した。また、米国と中国に偏っている(韓国の輸出の39%を占める)貿易構造を多角化し、電子商取引などの非対面サービスの活性化を図ることができるものと期待される。産業部の資料によると、過去30年間、韓国とASEAN諸国との貿易は30倍、投資は40倍、相互訪問客数は40倍に増加した。
この日の懇談会は、協定の国会での承認同意要請に向けた国内手続きの進行状況を業界と共有し、支援が必要な部分に対する先制的な対応のために設けられた。産業部はまた、農水産分野の業界懇談会も開き、意見を聴取する予定だという。