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[社説]北朝鮮は緊張を高め「朝鮮半島の春」脅かす行動を慎むべき

登録:2021-03-26 06:42 修正:2021-03-26 10:59
北朝鮮が昨年3月に弾道ミサイルを発射した場面=朝鮮中央通信/聯合ニュース

 北朝鮮が25日朝、東海上に弾道ミサイルと推定される飛翔体を2発発射した。大統領府国家安全保障会議(NSC)は「深い憂慮」を表明した。米国のバイデン政権の北朝鮮政策見直しが最終段階にある状況で、北朝鮮が存在感を示すために緊張を高めれば、対話の扉は閉じ始め、米中対立の板挟みになっている朝鮮半島の状況はさらに悪化する恐れがある。

 合同参謀本部は同日、朝7時6分と7時25分に北朝鮮の咸鏡南道咸州(ハムジュ)一帯から東海上に短距離ミサイル2発が発射されたことを把握したと発表した。飛行距離は約450キロメートル、高度は約60キロメートルだったという。NSCは緊急会議の後、「米国の北朝鮮政策の見直しが進められている中、ミサイル発射が行われたことに対し、深い憂慮」を表明した。韓国政府は北朝鮮が発射したミサイルの種類は断定しなかったものの、弾道ミサイルである可能性が高いという。弾道ミサイルの発射は、射程と関係なく国連安保理決議に反するものであり、追加制裁の対象になる可能性がある。

 今年1月と今月21日に2度巡航ミサイルを発射したのに続き、さらに攻勢を強める北朝鮮の行動は、米国の北朝鮮政策に影響を及ぼすための戦術的行動と言える。25日(韓国時間26日未明)、バイデン大統領の記者会見と来週の韓日米安保室長会談を控え、武力を誇示したものと見られる。

 北朝鮮の挑発にバイデン政権がいかに対応するかによって、今後の朝鮮半島情勢は大きな影響を受けるだろう。同盟の役割を強調するバイデン政権が、韓国との緊密な調整のもと、対話を通じて北朝鮮核問題の解決を実質的に進展させる北朝鮮政策を講じることを望む。朝米対話を通じた朝鮮半島平和プロセスの再稼動を計画している韓国政府は、北朝鮮のミサイル発射に困惑しているだろう。こうした時こそ、北朝鮮の誤った行為に対しては明確な立場を示し、南北と朝米が対話の方向に動くよう総力を傾けるほかない。

 北朝鮮は過去、米国に対して繰り返し使用してきた「瀬戸際戦術」がもはや有効ではないだけではなく、むしろ逆効果を招いた現実を直視しなければならない。米中の覇権争いが激しくなり、北東アジアで韓米日対朝中ロの対立構図が再現される状況で、北朝鮮は中ロと密着して戦術的利益を期待しているかもしれない。しかし長期的には、北朝鮮核問題の解決による北朝鮮の経済発展だけが、朝鮮半島における平和共存の解決策である。敏感な時期に状況をさらに悪化させる行動は慎まなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/988264.html韓国語原文入力:2021-03-26 02:42
訳H.J

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