ロイド・オースティン米国防長官が17日、「朝鮮半島周辺と北東アジア地域、インド太平洋地域で共同の脅威に直面している」とし、「これに対応するために韓日関係の改善を通じた韓米日協力が重要だ」と述べた。
韓国国防部関係者によると、同日来韓したオースティン長官は、ソウル龍山区(ヨンサング)の国防部庁舎で開かれたソ・ウク国防部長官との会談の終盤、地域協力について言及し、このように述べたという。浮上する中国の牽制を念頭に置き、米国の同盟国である韓日が関係改善を通じて米国との安保協力に乗り出すことを求めたものとみられる。
実際、最近は韓日関係の悪化で、韓日安保協力も十分に行われていない。両国は2018年12月、韓国海軍の駆逐艦が日本の哨戒機の射撃統制レーダーを照射したかどうかをめぐり対立し、隔年で奇数の年に行われていた韓日捜索・救難共同訓練(SAREX)も2019年に日本側の拒否で中止された。一方、韓米日3カ国の安保協力は特に問題なく作動した。軍当局者は「北朝鮮のミサイル脅威に備えるため、韓米日3カ国によるミサイル警報訓練が昨年4回行われた」と述べた。
にもかかわらず、オースティン長官は中国の挑戦に効果的に対応するため、韓日関係の改善と協力を求めたものと見られる。オースティン長官は会談の冒頭発言でも「中国と北朝鮮の前例のない脅威によって、韓米同盟がいつになく重要だ」とし、中国の脅威を強調した。
これに対し、ソ・ウク長官は「米国のインド太平洋戦略は大枠で韓国政府の新南方戦略の基調と変わらない」とし、「韓日安保協力が滞りなく進められるよう努力する」と述べたと、国防部関係者が伝えた。
同日の会談では、ソ長官が戦時作戦統制権(戦作権)の早期移管の必要性を説明したという。国防部当局者は「ソ長官はかなり長く話しており、オースティン長官も耳を傾けてから、これから協議を進めていこうという趣旨で話した」と伝えた。
国防部は会談後、公式資料を出し、「朝鮮半島の非核化と恒久的な平和定着という韓米共同の目標を再確認した」と発表した。また、「条件に基づいた戦作権移管の推進と韓米日3カ国の安保協力の重要性などを共有した」と明らかにした。