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済州行きのワクチン、輸送中に「適正管理温度下回る」…全量回収後に交換

登録:2021-02-26 02:22 修正:2021-02-26 08:48
25日未明、全羅南道木浦港の国際旅客埠頭で。アストラゼネカのコロナワクチンを運送するトラックが済州行きカーフェリー「クイーン・ジェヌビア」号に乗船するところ/聯合ニュース

 24日夜に済州島に向け輸送中だったアストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの保管温度が基準値を下回り、緊急に交換された。ただし疾病管理庁は、そのワクチンを再び接種に使うことに問題はないと判断している。

 25日の疾病庁の説明を総合すると、24日午後6時22分ごろ、済州島に送るアストラゼネカのワクチン1950人分(3900回分)を積んだ運送車が京畿道利川(イチョン)の物流センターを出発した。軍と警察の護衛を受けつつ、全羅南道木浦港へ向けて出発してから24分後、輸送車に積まれた15個の輸送容器のうち14個(1250人分、2500回分)の内部温度が適正温度より低くなっていることが、京畿道板橋(パンギョ)にある統合管制センターで確認された。アストラゼネカのワクチンは摂氏2~8度で保管と運搬を行わなければならないが、これより0.5度低い1.5度だった。運送チームは停車して温度安定化措置を取ったが、午後7時23分ごろ、安定化までには時間を要すると判断し、輸送中のワクチンを車両ごと交替することを決めた。

 この車両は54分後に物流センターに戻り、代替車両が午後8時48分に物流センターを出発した。当初の計画より2時間26分の遅れが出ていた。代替車両は木浦港に到着し、予定通り午前1時に出港する済州行きカーフェリー「クィーン・ジェヌビア」号に乗船した。物流センターと木浦港は約350キロ離れており、車で4時間ほどかかる。済州に到着したワクチンは、6つの保健所と9つの療養病院に送られた。

 疾病庁は、輸送容器内の冷媒に問題があったとみている。物流センターに戻されたワクチンは再び使用することが決定された。疾病庁医療安全予防局のヤン・ドンギョ局長は「現在のところは、多少時間がかかる輸送容器内の冷媒安定化作業に問題があったと推定する」とし「ワクチンが凍らなかったことを総合的に考慮すれば、使用には全く問題がないと判断し、次にまた使用する」と説明した。ヤン局長は「国民の皆さまにご心配をおかけし申し訳ない。今回のケースの原因を確認し、必要な部分があれば措置を取り、二度とこのようなことが起こらないようにする」と述べた。

 疾病庁は、今後1年にわたって実施されるワクチンの輸送と接種の過程で一定量が廃棄されたとしても、現在確保しているワクチンの量で充当が可能だとみている。アストラゼネカのワクチンは、個別交渉によって今月24~28日に供給される78万7000人分と、COVAX(コバックス)ファシリティ(ワクチン共同購入のための国際的枠組み)を通じて3月中に導入される19万人分が第1四半期分として確保されている。これは療養病院の入院者、高危険医療機関の従事者など、第1四半期の接種対象者70万4000人を約27万人ほど上回る量だ。今年中に供給されるワクチンの量は7900万人分。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/984557.html韓国語原文入力:2021-02-25 18:58
訳D.K

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