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「過労死」起きた韓国のクーパン大邱物流センター、仕事が増えても労働人員は減らした

登録:2021-02-22 10:39 修正:2021-02-22 12:03
18日午後、ソウル松坡区のクーパン本社前で開かれた宅配労働者過労死対策委のクーパン糾弾記者会見で、故チャン・ドクチュンさんの母親パク・ミスクさん(左から2人目)が発言している。過労死対策委は記者会見で、昨年10月にクーパン物流センターで深夜勤務を終えた後、自宅で死亡したチャンさん事件と関連し、クーパン側の過労死認定と謝罪、補償、再発防止対策の樹立などを求めた。勤労福祉公団の業務上疾病判定委員会は今月9日、チャンさんの死亡の業務関連性を認め労災として承認した/聯合ニュース

 昨年10月、深夜勤務直後に死亡し、最近労災認定を受けたチャン・ドクチュンさん(27)が勤務していた慶尚北道漆谷(チルゴク)のクーパン大邱(テグ)物流センターの平均勤務人員が、2018年の1704人から昨年は1219人へと28%減っていたことが確認された。チャンさんはここで1年4カ月間働いた。オンラインショッピング市場の急成長と新型コロナウイルスの影響で売上が急増したにもかかわらず、クーパンがむしろ勤務人員を減らしたため、労働の強度が非常に高くならざるを得なかったものと推定される。

 21日の国会環境労働委員会に所属する正義党のカン・ウンミ議員室がクーパンから受けた資料によると、同センターの平均勤務人数は2018年1704人→2019年1323人→2020年1219人と年々減っている。クーパン側は「日雇いまで含めた実際の勤務人数」と説明した。単純比較は難しいが、雇用保険の被保険者数で確認されたクーパン物流センターの勤務人員(子会社のクーパンフルフィルメントサービス所属、日雇いを除く)がここ3年間増加し続けていることと比較すれば「意外な流れ」だ。勤労福祉公団は、クーパンフルフィルメントサービスの被保険者数が2018年の8643人から2020年は1万8868人へと増加したと集計した。正確な比較のためクーパンに当センターの物流量を要請したが、クーパン側は「営業秘密」という理由で明らかにしなかった。

 しかし、クーパンの全体売上高が2018年の4兆3550億ウォン(約4160億円)から2020年は約13兆2500億ウォン(約1兆2650億円)へと大幅に増えたことを考慮すれば、嶺南地域最大の物流センターである同センターの物流量がとりわけ減少したという可能性は高くない。しかも同センターの管轄区域である大邱・慶尚北道地域は、昨年2月に新天地教会が発信源となった新型コロナ集団感染地だったため、特にオンラインショッピングの需要が非常に大きかった。クーパンは当時、「大邱・慶北地域の注文量が通常より最大4倍に増え、早期品切れと配送人材不足現象が起きた」と明らかにした。

 これに関しクーパン側は「2月以降、コロナのため人材需給が難しく、昨年漆谷、金海(キムヘ)、梁山(ヤンサン)など物流センターが追加でできたため、人材が分散した」と説明した。しかし、これらの新設の物流センターも昨年5月以降稼動したことを考慮すれば、すでに2018年から大邱物流センターの勤務人数が徐々に減った理由は十分に説明されない。

 大邱業務上疾病判定委員会が把握した業務上疾病判定書上、チャンさんは死亡する前の最後の一週間に62時間10分、死亡する前の最後の12週間は平均58時間40分働いていたことが確認された。22日午前10時に国会で開かれる「労災聴聞会」に、クーパン側からはクーパンフルフィルメントサービスのジョセフ・ネイサン・ノートマン代表取締役が証人として出席する予定だ。

パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/983897.html韓国語原文入力:2021-02-22 09:47
訳C.M

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