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韓国に凍結されているイラン資金70億ドルの解決策めぐり両国当局が攻防

登録:2021-01-15 06:28 修正:2021-01-15 07:25
今月10日にイランを訪問した外交部のチェ・ジョンゴン第1次官がイランのアッバス・アラグチ政務次官と会談し、記念撮影を行っている=テヘラン/EPA・聯合ニュース

 韓国の船舶と船員が10日以上イランに抑留されている中、韓国銀行に凍結されているイラン資金70億ドルの解決策をめぐる両国の主張が交錯し、攻防が繰り広げられている。イランで韓国政府が凍結されたイラン資金で救急車を買って送ると提案したが、イランが断ったという報道が出たことを受け、韓国政府は「事実と異なる」と反論した。救急車の導入はイランが先に提案したというのが韓国政府の主張だ。

 攻防の発端は、イランのマフムード・バエジ大統領秘書室長の発言だ。彼は13日(現地時間)、イラン政府ホームページを通じて「韓国は数十億ドルに達するイランの凍結資金と救急車を交換しようと提案した」とし、「救急車は必要ない」と述べた。また「我々は(米国の)経済戦争と圧迫に対抗して3年間この国を運営してきた」としたうえで、「我々は救急車数台が必要なのではなく、韓国に凍結されたお金が必要だ」と強調した。バエジ秘書室長の発言は10日、2泊3日の日程でイランを訪問したチェ・ジョンゴン外交部第1次官との協議を言及したものだ。チェ1次官はイラン側に新型コロナウイルス関連医療装備や医薬品などの人道的物品を送り、その金額分だけイランの凍結資金を相殺する案を提案したものと見られる。

 しかし、韓国政府はイラン側のこのような主張に反論した。チェ・ヨンサム外交部報道官は14日、定例ブリーフィングで「(韓国内に凍結されたイラン資金で)救急車を輸入(導入)することを望むというイラン側の提案があったのは事実」だと述べた。外交部当局者は記者団に「イラン側が救急車の導入を希望し、この部分に関する協議もあった」とし、「(イラン大統領)秘書室長がイラン国内マスコミにチェ次官がこのような提案をしたと述べた部分は事実と異なる」と説明した。

 一方、同日帰国したチェ次官は仁川(インチョン)国際空港で記者たちに会い、凍結資金について「バイデン政権の発足を迎え、私たちが独自にできることと米国との協議、多くの過程を通じて行えることを綿密に検討し、進めている」と説明した。ハンケミ号の抑留問題については「船舶と船員に対するイラン政府の措置が迅速に取られると信じている」と述べた。

チェ・ヒョンジュン、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/978796.html韓国語原文入力:2021-01-1502:16
訳H.J

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