米国のマーク・エスパー国防長官が数カ月以内にインド太平洋軍司令部の米軍再配置問題を検討すると述べた。インド太平洋軍司令部には在韓米軍が含まれている。
エスパー長官は17日(現地時間)に配布した「国家防衛戦略(NDS)の移行:最初の1年間の達成」と題する資料で、在任期間中1年間に推進した主要課題について説明した。彼は「改革の一環として、国家防衛戦略に基づき、我が国の軍隊を再分配、再配備している」とし、「それぞれの戦闘司令部が作戦空間を最適化するため、既存の任務と課業、態勢を統合・縮小に向けて最初から検討し直している」と述べた。
エスパー長官はさらに「アフリカ軍司令部、南部軍司令部、戦略軍司令部、中部軍司令部、欧州軍司令部、サイバー軍司令部、宇宙軍司令部で検討と調整が行われている」とし「数カ月以内に、輸送軍司令部、インド太平洋軍司令部、北部軍司令部とも検討を始める」と述べた。
インド太平洋軍司令部などに対する再配置の検討は、米国がすでに明らかにしてきた内容だ。米国は2017年に発表した国家安保戦略(NSS)と2019年1月に公開した国家防衛戦略で、中国牽制を最優先課題とし、インド太平洋をこのための核心地域として強調してきた。米政府と議会はいずれもインド太平洋地域の軍事力を強化する案を推進している。
ただし、エスパー長官の発言は、同日に出たウォールストリート・ジャーナル紙の報道とあいまって注目を集めている。同紙は、米国防総省が今年3月、在韓米軍を削減するオプションを含む海外駐留米軍の再配置と関連し、ホワイトハウスに報告したと、米政府高官らの話として報じた。
中国牽制のためにインド太平洋での態勢強化を進めるトランプ政権が、在韓米軍を削減する可能性は低い。ただし、海外駐留米軍の撤収を大統領選挙の公約に掲げ、実際にアフガニスタンとドイツなどでこれを実行してきたトランプ大統領が、どのような選択をするかは注視する必要があると、外交筋は伝えた。トランプ大統領が防衛費分担金引き上げの圧力をかけるために、在韓米軍削減カードを取り出す可能性も排除できない。
在韓米軍の削減に対する米議会の反対も激しい。共和党所属のベン・サス上院議員は17日、声明を発表して、ウォールストリート・ジャーナルの報道と関連し「この種の戦略的無能は(在韓米軍の撤退を試みた)ジミー・カーター(元大統領)水準で脆弱だ」とし「我々は福利厚生として韓国にミサイルシステムを配置しているわけではない。我々は米国人の保護のため、そこに兵力と軍需品を持っている」と述べた。彼は「私たちの目標は、中国共産党指導部と北朝鮮住民を圧制する核兵器狂人に、我々に手出しする前に考える時間を与えることだ」と述べた。
民主党所属のアダム・スミス下院軍事委員長も同日、「新民主党ネットワーク(NDN)」が開いたオンラインセミナーで「在韓米軍は北朝鮮がより攻撃的でないよう十分に抑止している」とし、在韓米軍削減に反対する意思を再確認した。
国防部当局者はウォールストリート・ジャーナルの報道に対するマスコミの確認要請に「我々は全世界の軍事態勢を日常的に検討している」とし、「わが軍隊はいかなる脅威にも対応できる態勢を整えている」と述べた。