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「隔離指針違反には懲役刑求刑」…電子ブレスレットは留保

登録:2020-04-08 05:47 修正:2020-04-08 07:21
今月7日午前、ソウル松坡区蚕室総合運動場メインスタジアムに設置された新型コロナウイルス感染症関連の「ドライブスルー」選別診療所で、医療陣が椅子に座ってジップバッグに入った携帯電話を見ている//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は、自宅隔離者の無断離脱を防ぐため、スマートフォンアプリと連動した電子ブレスレットを導入する案まで検討したが、結局留保することにした。自宅家隔離者の人権を過度に侵害しかねないという指摘が相次いだためだ。その代わりに、政府は隔離指針に違反した場合全員実刑を求刑するなど、処罰を強化することにした。

 政府関係者は7日、「電子ブレスレットの導入などに関し、首相主宰の関係長官会議を開いた結果、保健福祉部と行政安全部が人権侵害の余地があるとして反対した。防疫当局の立場を尊重することにし、今後、関連会議の日程は決めていない」と述べた。同日午前、関係長官会議が開かれた時刻に行われた中央災難安全対策本部(中対本)の定例ブリーフィングでは「自宅隔離者の管理強化案の一つとして電子ブレスレットの導入も考えている」と述べたが、実際の会議ではそこから一歩引いたもの。政府が検討した電子ブレスレットは、隔離者がスマートフォンから20メートル以上離れると、モニタリング団にリアルタイムで警報音が鳴り、これを確認した関係者が担当公務員に連絡すれば、直ちに現場に出動して離脱しているかどうかを確認する方式だ。

 専門家らは、このような自宅管理者の管理に否定的意見を示している。チョン・ジンウォン中央大学病院教授(感染内科)は「自宅隔離が自分の過ちによるものではないという点に留意すべきだ。(指針を守るよう)繰り返し教育した方がより効果的」だと述べた。ハン・サンヒ建国大学法科大学院教授も「位置情報も敏感な情報なのに(電子ブレスレットまで着用させるのは)自宅隔離者を潜在的犯罪者と見なし、身体の自由を侵害するもの」だとし、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)時局だとして、民主的意思決定や人権保護を疎かにしてはならない」と述べた。

 政府は電子ブレスレットの導入問題を留保する代わりに、隔離指針に従わなかった人の処罰を強化することにした。最高検察庁は同日、意図的に隔離措置に違反した場合、原則的に起訴し、裁判でも懲役刑の実刑を求刑すると発表した。現行の感染病予防法は防疫当局の入院・隔離指針に違反すれば、1年以下の懲役または1000万ウォン(約90万円)以下の罰金刑に処することができるが、罰金刑の略式処理にとどまらず、裁判にかけ厳罰に処す方針を示したのだ。6日午後現在、自宅隔離者は4万6566人で、このうち感染病予防法、検疫法などの違反容疑で司法手続きを踏んでいるのは計75人(67件)だ。検察はこのうち3人を在宅起訴した。

 COVID-19の新規感染者は2日連続で47人を記録した。防疫当局は「3月22日から28日までの『高いレベルの社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)』第1週目の成果」だと肯定的に評価した。しかし、まだ安心できる状況ではないと見て、首都圏を中心に、いたるところに残っている感染の火種を消すのに全力を傾ける計画だ。中対本は今週から遊興施設の点検の際、従来の衛生公務員を中心に、警察や消費者食品衛生監視院が参加する合同点検へと強化し、クラブは毎晩11時から翌日の午前4時まで、集中的に点検すると発表した。クォン・ジュヌク中央防疫対策本部副本部長は「強力なソーシャル・ディスタンシングを平均3週間以上施行した場合、発生の95%以上を減らせると専門家らは推算している」とし、「引き続ききちんと実践してほしい」と強調した。

パク・ダヘ、ノ・ジウォン、クォン・ジダム、ソン・ヨンチョル、チャン・ピルス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/936061.html韓国語原文入力:2020-04-08 02:42
訳H.J

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