共に民主党の「友党」を自任する「開かれた民主党」の「親チョ・グク、親文在寅(ムン・ジェイン)マーケティング」をめぐっては、選挙を戯画化し、政党政治の根本を揺るがという批判が強い。2008年の総選挙で、当時の朴槿恵(パク・クネ)前代表を守るとして登場した「親朴連帯」とそっくりだという指摘も出ている。不適切な行動により公認から外された人々が党を移籍して比例代表に出馬した行為に対しては、「政権擁護」という大義名分を掲げた「私益追求政治」という苦言も聞こえる。彼らは比例連合政党である「共に市民党」と“真の与党”競争も辞さない構えで、共に民主党指導部を困惑させている。
■「我々こそ真の文在寅、チョ・グクを守る人々」
開かれた民主党の比例候補たちは連日、先を争って「チョ・グク守護」「文在寅を守る人」を自任している。ファン・ヒソク元法務部人権局長(検察改革推進支援団長)は23日、自身のフェイスブックでユン・ソクヨル検察総長に対する非難を書き連ね、4・15総選挙の結果次第でチョ・グク前法務部長官の運命が決まると強調した。「今日の大ユンと小ユンは4・15総選挙後にどんな姿を見せるだろうか。口惜しくも犠牲となった『チョ』は名誉回復を果たし、新しい運命を迎えるだろうか」と問うた後、「4・15総選挙が決める」と書いた。同党のチョン・ボンジュ最高委員もフェイスブックへの投稿で「文在寅大統領と最後までともに歩む」とし「文在寅を守る人」を自任した。そして、「キム・ウィギョム前大統領府報道官は文大統領の口、チェ・ガンウク前大統領府公職綱紀秘書官とファン・ヒソク前法務部検察局長(人権局長の誤記とみられる)は文大統領の刀」と表現した。ソン・へウォン議員については「文大統領と最も近い金正淑(キム・ジョンスク)女史の友人」、チュ・ジンヒョン元ハンファ投資証券代表については「第20代総選挙の共に民主党の選挙公約立案者」と紹介した。
■「特定人物の守護を掲げた第2の親朴連帯」
新生政党が価値ではなく「特定人物の守護」を掲げているという点で、2008年の総選挙時に登場した「親朴連帯」と似ているとの批判も多い。西江大学現代政治研究所のソ・ボッキョン研究員は「彼らがやるという検察改革は民主党がやるという検察改革と同じだ。共通点を去勢すれば残るのは『チョ・グク守護』というスローガンだけだ。特定人物を守るとして自分たちの政治的復権を図るという点では、親朴連帯と大差ない」と評価した。
民主党に長く携わっていたり、政権勢力の責任ある地位に就いたりしていた人物が、公認脱落などを理由に新党を作って選挙に出るという行為についても、「責任ある政党政治と見なすことはできない」という指摘が出ている。慶南研究院のイ・グァンフ研究委員は「自分たちが当選しないとチョ・グクと大統領を守れないという開かれた民主党の候補たちの主張は『自分は国会議員になるべき』ということ以上でも以下でもない。民主党公認から脱落し、それでも議員になりたいと『政権守護』を掲げて出馬することに、誰が共感できるだろうか」と述べた。特定人物のファンダム(熱心なファンたちによって形成される文化)に頼って政治的復権と立身を成就するという「私益追求」行為にすぎないという指摘だ。
民主党も困惑している。民主党の高位関係者は「『新型コロナをしっかり克服して政権担当能力の評価を受ける』という構図を、開かれた民主党が撹乱している。選挙区候補の得票に悪影響を及ぼすだろう」と述べた。開かれた民主党が持っていく議席の分だけ、民主党が共に市民党に派遣した比例代表候補の当選可能性が縮小せざるを得ないというのも、民主党指導部の悩みだ。