持病のなかった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者が相次いで死亡したことで、高齢者は基礎疾患の有無と関係なく、感染すれば致命的な結果につながりかねないという分析が出ている。80歳以上の高齢層の致死率は6%を超えている。
8日の保健当局の説明によると、この数日間に確認されたCOVID-19による死者の中には、これといった基礎疾患がない患者が4人も含まれている。基礎疾患のない67歳の女性は、大邱(テグ)の漆谷(チルゴク)慶北大学病院に入院していたが、肺炎で4日に死亡した。さらに、5日には安東(アンドン)医療院で肺炎による呼吸不全で死亡した81歳の男性と、6日に漆谷慶北大学病院で亡くなった後に陽性判定を受けた81歳の男性にも、基礎疾患はなかった。嶺南大学病院の集中治療室で治療を受けていた76歳の女性も基礎疾患はなかったが、7日に症状が悪化して死亡した。この4人の共通点は、65歳以上の高齢者だったことだ。
専門家は、高齢であればあるほど免疫力そのものが弱まるため、感染は致命的だと見ている。翰林大医学部のイ・ジェガプ教授(感染内科)は「年齢が高ければ老化によって身体の抵抗力が落ちる。このため一般的な肺炎の場合も、65歳以上の患者は基礎疾患がなくても高危険群に分類する」と話す。そして「中国でも、年齢が高ければ基礎疾患と関係なく死亡率が高かった。高齢に加え、基礎疾患まであれば、リスクはさらに高まる」と強調する。
中央防疫対策本部(防対本)が発表したCOVID-19の年齢別致死率(8日0時現在)によると、韓国国内の全ての患者の致死率は0.7%に止まるが、60代は1.3%、70代は4.4%、80歳以上は6.6%となり、年齢が上がるほど致死率も大きく跳ね上がった。先に、世界保健機関(WHO)は、中国における基礎疾患のない患者の致死率は1.4%と明らかにしている。
COVID-19のワクチン開発が遅れている中、高齢者の死亡がさらに増えた場合、今回の感染症の致死率は過去の新型インフルエンザや季節型インフルエンザを上回るだろうという分析が出ている。通常の季節型インフルエンザの致死率は0.1%程度で、2009年に国内で発生した新型インフルエンザの場合、これよりさらに低い0.03%(2009年11月現在)に過ぎなかった。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「重症患者を中心に診断検査を実施した他国と違い、韓国は軽症はもちろん無症状の陽性患者まで検査した結果を基に致死率を計算しているため、世界保健機関などでも韓国の資料を注視している」とし「今後、高危険群で感染がどの程度発生するかによって致死率が変わるとみられるが、最近の長期療養機関などのように(基礎疾患者の多い)施設で感染者が増えた場合、死亡率は今より高くなるだろう」と述べた。防対本は韓国国内のCOVID-19確定患者7134人(8日0時現在)のうち、重症以上の患者は計50人(重篤36人、重症24人)と明らかにした。