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[社説]多様な価値を前面に出した“小さな政党”に多くの応援を

登録:2020-02-13 06:53 修正:2020-02-13 07:57
第21代国会から準連動型比例代表制が導入され、特定の政策や価値を志向するワンイシュー政党の国会参入の可能性に対する期待感が高まっている。汝矣島全経連ビルから眺めた国会本会議場の夜景=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 「準連動型比例代表制」が初めて導入される4・15総選挙を控え、多様な価値と政策を前面に出した新党の立党の動きが活発だ。「女性の党」「基本所得党」「教育党」など個別の議題を前面に出したいわゆるワンイシュー政党(議題政党)が相次いで登場している。これらは巨大な2政党の隙間の中で十分に示されなかった有権者のさまざまな関心と欲求を代弁することに焦点を合わせている。準連動型選挙が初めてであるため多少の混乱も予想されるが、このような実験が韓国政治の品格を一段階高める契機になることを期待する。

 新たに芽生えたワンイシュー政党は、特定の人物や理念を中心に運営される既存の政治言語を拒否する。女性の党は世代をまとめたフェミニストたちが参加し、既成の政治ではまともに代表されなかった女性主権の問題を前面化する計画だ。教育党は教育問題の全面解決を掲げ、基本所得党は比例候補4人と選挙区候補2人を出馬させて議会への進入を狙っている。「プラットホーム政党」と「3040世代」を掲げる「時代転換」は、気候環境などさまざまな議題グループがネットワーク形態で繋がれて「ソリューション」(解決策)を提示する方式で運営されているという。

 ワンイシュー政党の実験は、小政党が政党得票率基準の3%を超えれば1議席ではなく3~4議席を得られるように選挙制度が変わり、大きく活性化された。基準点さえ超えれば政治的発言権が強くなるわけだ。得票率3%、約70万票を超える政党が2党だけ連合しても、立法発議要件である国会議員10人に近づく。そのため3%の壁を越えることができなかった緑の党や、得票率に比べてはるかに少ない議席にとどまった正義党などの既存政党も、新党との政策連帯を推進している。場合によっては名実共に多党制国会の登場を予想できるはずだ。

 この渦中に自由韓国党が比例代表で議席をさらに得ようとして“衛星政党”である未来韓国党の立党を推し進めるのは極めて退行的だ。多様な政治的な声を国会で取り集めるという選挙法改定の意味を正面から踏み付けることであるだけでなく、ワンイシュー政党の成長を妨げる行動になり得る。

 有権者はこれから新しい投票方式を考えてみる必要があるだろう。これまでは死票になるという心理のために小政党に投票できず巨大政党に票を投じていたが、今回の選挙では自らの価値に即して気に入った政党に快く「政党投票」ができる制度的基盤が用意された。多様なワンイシュー政党や若い政党の出現が私たちの政治の姿を変えるためには、有権者の応援と支持が後押ししなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/928024.html韓国語原文入力:2020-02-13 02:37
訳M.S

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