政府は石炭灰に続き、廃バッテリーや廃タイヤなどリサイクル用の輸入廃棄物に対する通関手続きも強化することにした。これら輸入廃棄物のかなりの部分が日本産であることから、今月8日に出された石炭灰の輸入通関手続きの強化に続き、今回の措置も日本の経済報復に対抗した韓国政府の“反撃カード”と見られる。
環境部は16日、「最近の輸入廃棄物の放射能などに対する国民の懸念が高く、国内に入ってくる輸入廃棄物量が増え続けている」とし、「廃バッテリーや廃タイヤ、廃プラスチックなどの輸入廃棄物3品目に対する環境安全管理を強化する計画」だと発表した。
これによって、これらの廃棄物に対する放射能検査成績書と重金属成分分析書の真偽を毎月1回点検する。これまでは四半期ごとに1回ずつ実施してきた。輸入業界への現場点検も月1回以上に強化する方針だ。点検の結果、放射能と重金属の許容基準を超過したことが確認されれば、搬出命令などを下す計画だ。
輸入廃棄物を国内産に代替するための案も用意する。政府は、廃棄物の種類別に関連業界と協議体を構成し、廃タイヤは国内産に代替し、廃プラスチックは色付きペットボトルなどリサイクルが難しい材質などの使用を制限することで、国内の廃プラスチックの品質を高める案などを論議する予定だ。
昨年の輸入廃棄物の現況を見ると、石炭灰が約126万8千トンで全体の廃棄物輸入量(254万トン)の約50%を占めており、廃バッテリーは約46万9千トン(18.5%)、廃タイヤは約24万トン(9.5%)、廃プラスチックは16万6千トン(6.6%)などだ。韓国が輸入する廃棄物の量は毎年増え、昨年には輸入量が輸出量(17万トン)より15倍以上多かった。
環境部のキム・ドンジン報道官は「今回の措置が国民の安全と環境保護のためのもので、特定の国と関係があるわけではない」と線を引いたが、日本を狙った対応というのが大方の評価だ。最近の韓日関係に加え、これらの輸入廃棄物で日本産が占める割合が高いからだ。輸入廃棄物の現況を見ると、廃プラスチックの場合、昨年輸入したもののうち日本産が39%(6万6121トン)で最も大きな割合を占めた。廃バッテリーは日本産(7万1123トン、15.1%)が米国産(14万2686トン、30.3%)に続いて第2位、廃タイヤはオーストラリアや米国、イタリア産に次いで日本産(6923トン、2.8%)が第4位だった。これに先立ち、輸入通関手続きの強化策を打ち出した石炭灰は全量日本から輸入している。
環境部のイ・チェウン資源循環課長は「世界貿易機関(WTO)や関税および貿易に関する一般協定(GATT)の規定によると、自国の環境保護や自国民の安全のための措置を講じることができる」とし、「(今回の措置による日本などとの)通商摩擦の懸念はないだろう」と述べた。