訪韓したジョン・ボルトン米国家安保補佐官が、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長との面会で、ホルムズ海峡への派兵について言及した。大統領府は24日、チョン室長とボルトン補佐官がホルムズ海峡で海上安保と航行の自由に向けた協力案を協議していくことにしたと明らかにした。事実上、派兵を要請したものと見られる。政府は国益を最優先に考え、この問題を多角的に検討したうえで、慎重に決定しなければならない。
米国は今月19日にワシントンで、各国の外交官たちを呼び、ホルムズ海峡で民間船舶の航行の安全を確保するため、「有志連合」の結成に参加するよう呼び掛ける説明会を開いた。ボルトン補佐官が訪韓前に日本を訪問したのも、この問題の協議に主な目的があったとみられる。韓国政府の雰囲気からして、ホルムズ海峡への派兵に肯定的な方向に傾いているようだ。
ホルムズ海峡は韓国行き原油タンカーの70%が通過する道の要所であり、韓国にとっても重要な地域であるのは事実だ。しかし、ホルムズ海峡をめぐる緊張は本来、核をめぐる米国とイランの対立から始まった問題だ。米国に協力することで、イランとの関係が悪化することもあり得る。そのうえ、韓国には朝米非核化交渉に加え、悪化の一路をたどる韓日関係という外交的難題がある。このような問題で米国と協力を強化しながら(派兵を)決定しても遅くない。
特に、日本の経済報復で始まった韓日の対立に、米国が積極的に仲裁役を果たすよう求める必要がある。チョン室長とボルトン補佐官の面談でも同問題が話し合われたが、どれほど深く論議されたかは分からない。政府はすでに、日本が報復措置を強行した場合、「韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」の破棄を含むすべてのオプションを検討するという立場を明らかにした。米国は、韓日軍事情報包括保護協定が破棄された場合、韓米日安保協力の根幹が揺るがされるとして懸念を示しているが、韓国としては実効性があまりない同協定にこだわる理由はない。
米国は、韓日の対立に対し、依然として中立的な立場を貫いている。しかし、韓日間の対立が続き、この問題が軍事問題にまで拡大すれば、米国にも被害が及びかねない。政府はこのような点を持続的に説明し、米国を韓国側に引き入れる必要がある。ホルムズ海峡への派兵問題は、冷静な計算のもと、このような事案と連携しながら解決していかなければならない。