本文に移動

“日本の輸出規制”に民官対応チームが発足…大統領府「特使派遣は時期尚早」

登録:2019-07-05 21:22 修正:2019-07-06 06:49
カン・ギョンファ外交部長官が5日午前、ソウル市世宗大路の外交部庁舎で開かれた「第1回外交戦略調停会議」に参加し発言している//ハンギョレ新聞社

 政府が米中貿易摩擦に続き、日本による半導体素材の輸出規制などの通商戦争に対し、民官合同対応に乗り出すことにした。大統領府は一部で議論された特使の日本派遣などは考慮せずに、経済界など多様な分野の意見を総合し対応策を用意することにした。

 大統領府の主要な関係者は5日、「日本の輸出規制に関しては昨日、経済副首相と国家安全保障会議レベルの対応があった。業界の困難な点と、それに相応する対応策をどのように作るべきか、具体的に議論している」として「今は特使の派遣を論じたりする段階ではないと考える」と一線を引いた。また「日本政府の輸出規制に対する文大統領の指示は(まだ)ない」と付け加えた。彼は「直接的な関連がある産業通商資源部と外交部だけでなく、少しでも関わりのあるすべての所が意見を集めて方案を探している」と話した。

 大統領府は前日、国家安全保障会議(NSC)を通じて、日本政府の輸出規制措置に関し「報復的な性格で、世界貿易機関(WTO)規範などの国際法に明確に違反したもの」と規定し、これまで政府部署だけに任せてきた対応強度を引き上げた。

 文大統領が直接出てこないことに関して、大統領府の高位関係者は「今、文大統領があえて出る理由がない。首脳として品格を守らなければならない」と説明した。日本の安倍首相が参議院選挙を控えて、支持層を結集するために連日話を吐き出している状況で、文大統領が対応する必要はないとの判断だ。代わりに、政府は今回のことを契機に、日本に依存する先端素材を代替する方案を講じるなど、多様な分野の意見を取りまとめ、強まる貿易戦争の波に対応する総合対策を設ける戦略を立てたということだ。

 外交部もこの日、政府と民間が共同で参画する外交戦略調停会議(以下、調停会議)を公式に発足させた。カン・ギョンファ外交部長官は「最近になって国際情勢は急速に変わっている。経済・技術・外交・安保などの分野と、地域と世界の戦略を分けず、本当に複合的で不確かな方向に展開している」と、会議開催の背景を説明した。調停会議は今後、複合的な外交懸案に関し政府と民間が共に有機的な対応方案を設ける窓口の役割をすることになり、外交部長官の主宰で関係部署の室長級と学界・経済界の専門家などが参加する。

 初日の会議では、米中貿易摩擦と最近の日本による輸出規制措置など、韓国に直接・間接的に影響を及ぼす懸案に対する議論がなされたと見られる。カン長官は会議で「最近懸案となっている米中関係に関するイシューと、日本との関係を含め周辺4カ国との調整が必要なさまざまな懸案を扱っていく予定」と明らかにした。会議には、民間からソウル大学のチャン・タルジュン名誉教授、イ・ヒオク成均中国研究所長、イ・サンヒョン世宗研究所研究委員、チ・マンス韓国金融研究院先任研究委員、シン・スングォン国際貿易研究院長などが参加した。

イ・ワン、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/900690.html韓国語原文入力:2019-07-05 19:22
訳J.S

関連記事