ドナルド・トランプ大統領の選択は、マイク・ポンペオ国務長官とミック・マルバニー大統領首席補佐官代行だった。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長とリ・ヨンホ外務相を同行させた。
朝米関係史上初の首脳晩餐が27日、ベトナム・ハノイのメトロポールホテルで約1時間30分にわたって行われた。28日まで続く第2回首脳会談の初日程であり、会談の結果を占う風向計だ。金委員長とトランプ大統領が28日の単独・拡大会談で何を交換するかを互いに点検・予測するする席だ。「親交を深めるための晩餐」(social dinner)を名分とした探索戦といえる。“晩餐会”には珍しく、陪席者を2人ずつに絞ったからだ。昨年6月12日に単独・拡大会談を終えた後、両首脳を含め北朝鮮側から8人、米国側から7人が同席した業務を兼ねた昼食会とは、かなり性格が異なる。
金英哲副委員長とポンペオ長官の陪席は予想されていた。2人は朝米首脳の代理人であり、交渉パートナーだ。金副委員長は2回ワシントンを訪問し、トランプ大統領と面会した(2018年6月1日、2019年1月18日)。ポンペオ長官は4回訪朝し、金委員長にも3回会った(2018年4月1日、5月9日、10月7日)。
むしろ、注目すべきなのは、マルバニー代行とリ外務相の同席だ。マルバニー代行は、トランプ大統領が前任のケリー秘書室長を更迭し、緊急投入した側近だが、外交の専門家ではない。ホワイトハウス予算局長出身で保守性向の人物だ。しかし、それは重要ではない。マルバニー代行の陪席に隠された本当の意味は、“超強硬派”のジョン・ボルトン国家安全保障会議(NSC)補佐官が晩餐会のメンバーから外されたことにある。「リビアモデル」を口癖のように言っているボルトン補佐官は、ポンペオ長官と仲が悪い。主務分野をめぐる権力争いの末、昨年秋以降、対北朝鮮交渉と朝鮮半島問題はポンペオ長官が主に務めることで、調整が行われたという。
リ外務相は、昨年6月12日の拡大首脳会談にも、金英哲、リ・スヨン党副委員長と共に出席した“核心3人衆”の一員だ。