27日から28日にかけてベトナムのハノイで開かれている朝米首脳会談に合わせて、これまで北朝鮮の「非核化-平和」の交換論とドナルド・トランプ大統領の北朝鮮政策に懐疑的だった米国内の専門家や主流マスコミ、政界で、微妙な変化の兆しが現れている。北朝鮮の戦略に対する憂慮と警戒心を抱きながらも、“トランプ方式”の実効性に対する再評価が行われている。
ワシントンポストは26日付で、「慣例にとらわれないトランプ大統領の対北朝鮮戦略が、一部専門家の支持を受けている」と報じた。金正恩(キム・ジョンウン)委員長に尊重感と安堵感を感じさせることで、経済発展と外交の正常化を見返りに、核兵器を放棄させる道を示しているということだ。ワシントン所在のシンクタンク「スティムソンセンター」のジョエル・ウィット研究員は「私はトランプのやることの99%は支持しないが、不思議なことに、北朝鮮に対する彼の直感は当たっている」と話した。彼は北朝鮮専門ウェブサイト「38ノース」の運営者でもある。
ウィット氏をはじめ、トランプ大統領の北朝鮮戦略の支持者たちは、北朝鮮が核実験やミサイル実験発射を16カ月間中断しているのは重大な進展であり、トランプ政権の最大の成果だと評価する。ワシントンポスト紙は「ウィットのような観点はワシントンではまだ少数意見」だとしながらも、「しかし、北朝鮮に詳しい多くの人たちは、トランプのアプローチが今のところ最善のゲームだと言っている」と報じた。
ニューヨークタイムズも26日付で、「北朝鮮と交渉中のトランプ大統領が、米国内の要求(レベル)を緩和しようとしている」とし、「ワシントンの一部対北朝鮮強硬派でさえ、トランプ大統領の賭けから可能性を見出している」と報道した。昨年末まで朝米交渉で中心的な役割を果たした米中央情報局(CIA)コリア・ミッションセンター長のアンドリュー・キム氏は「星が揃いつつあるようだ」と述べた。朝米交渉をめぐりトランプ大統領と金正恩国務委員長の利害関係がかみ合っている現実を喩えた表現だ。
スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表は先月、スタンフォード大学での講演で「米国政府は北朝鮮の最終的かつ完全に検証可能な非核化に専念している」としながらも、「交渉の最初段階からそれを要求するわけではない」と述べた。これをめぐり、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)ら強硬派からは「ビーガンが譲歩しすぎている」と反発したという報道もあった。しかし、ニューヨークタイムズ紙は「トランプと金正恩が今回のハノイ会談で、従来の休戦協定に代わる公式の平和協定の序曲として、一種の“平和宣言”に署名するというのが、大方の見通しだ」と報じた。
トランプ大統領と鋭く対立している民主党からも、朝鮮半島の平和という大義には同調する動きが現れている。下院の民主党議員20人は朝米首脳会談開始前日の26日、朝鮮戦争終戦宣言を求める決議案を議会に提出した。彼らは「トランプ政権は朝鮮半島に恒久的平和体制と平和的非核化に向けた明確なロードマップを提示すべき」としたうえで、「一世一代の平和の機会を無駄にしてはならない」と求めた。決議案にはまた「終戦宣言は在韓米軍の撤退または北朝鮮の核保有国認定を必要としない」や「1953年に北朝鮮と米国が結んだ休戦協定にも何の法的効力を持たない」など、終戦宣言に対する一部の拒否感を和らげるための文言も盛り込まれた。
一方、米国の保守的な見方を代弁するFOXニュースは26日、「ホワイトハウスや国務省、財務省、エネルギー省では、スティーブン・ビーガン特別代表が北朝鮮との交渉をどこに向かわせているのか、懸念が高まっている」とし、「(ビーガン代表が)あまりにも先に進んでいる」というけん制ムードについて報じた。同放送は「特に以前は交渉対象ではなかった北朝鮮の非核化が、今は交渉リストに載っている」とし、「多くの官僚は交渉のための交渉を望んでいない」と付け加えた。