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金正恩特別列車、一気にドンダンへ…26日午前中に中越国境を通過する見込み

登録:2019-02-26 07:31 修正:2019-02-26 17:46
朝米首脳会談を2日後に控えた今月25日(現地時間)、中国と国境地域のベトナム・ランソン省のドンダン駅で、関係者がレッドカーペットを敷いている=ドンダン駅/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を乗せた専用列車は、止まることなく走り続け、3日間で中国大陸を縦断した。中国の習近平国家主席との5度目の首脳会談のために北京に立ち寄ることもなく、中国改革開放の心臓である広州を見学しながらしばし息を整えることもなく、朝米首脳会談が開かれるハノイに向かって突き進んだ。

第2回朝米首脳会談に向けた金正恩-トランプの移動経路//ハンギョレ新聞社

 世界の耳目を集め、23日午後、平壌を出発した金委員長を乗せた特別列車は、25日午後(現地時間)、揚子江を渡って湖南省長沙を通過した。さらに広東省広州と広西チワン族自治区南寧の分岐点である湖南省衡陽から、ベトナムまで最短距離の南寧に向かう道に入った。

 金委員長の特別列車は3日間、“ベールに包まれた”強行軍を続けた。23日夕方、朝中国境地域の遼寧省丹東で目撃された後、天津と河北省石家荘を経て、24日夜12時に河南省鄭州を通過した。その後、25日朝7時20分頃、湖北省武漢を通過したという。さらに午後1時10分頃には湖南省長沙に到着し、約30分間にわたり整備をしてから出発した。長沙駅付近には同日午前から鉄路点検や交通統制の告知が行われるなど、要人の訪問に備える動きが見られた。長沙を出発した列車は午後3時30分ごろ、主要分岐点である衡陽で、広州ではなく、南寧方向に進んだ。金委員長を乗せた特別列車が、丹東から長沙まで約2280キロメートルの区間を約40時間にわたって移動したことから、列車の平均速度は時速60キロメートルよりやや速かったものと推定される。

金正恩委員長の宿泊先として有力なハノイ市内のメリアホテルの前で、労働者たちが造花で北朝鮮と米国の国旗をかたどった歓迎の看板を作っている=ハノイ/ノ・ジウォン記者//ハンギョレ新聞社

 同日、中国のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では、湖南省内の長沙-石門、長沙-常徳区間の列車数本の運行が1日間統制されるという鉄道当局の知らせと見られる掲示が大きな話題になった。中国からベトナムに向かう最終区間である南寧-藻郷区間の定期便の列車も午前の運行を中断した。長沙-南寧の直線距離は76キロメートル、南寧-平郷の直線距離は190キロメートルであるため、専用列車がこれまでの速度を維持すれば、26日早朝には中越国境を通過するものとみられる。金委員長は26日午前8時30分頃、ベトナム・ランソン省のドンダン駅まで列車で移動し、歓迎行事を終えた後、自動車に乗り換えてハノイに向かうものと予想される。ドンダン駅には25日午後、レッドカーペットが敷かれた。ベトナム当局は週末、ドンダンからハノイにつながる国道1号線170キロ区間の周辺で地雷探知作業を行ったのに続き、25日午後から26日午後2時まで車の通行を禁止した。

 金委員長が北京や広州などに立ち寄ることなくベトナムに直行するのは、ドナルド・トランプ大統領との首脳会談を控え、中国との密着や協力が浮き彫りになることを避けるためと見られる。しかし、帰国する過程で習主席と会談し、朝米首脳会談の結果などを話し合う可能性がある。第5回朝中首脳会談が実現するなら、場所は北京が有力だ。3日に開幕する中国最大の政治行事である両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議)を考慮すれば、習主席が北京を空けるのは難しいからだ。

 中国は金委員長の“中国縦断”の意義を強調した。官営「環球時報」同日付の社説で、「金委員長が中国北部から南部まで列車に乗って通過するのは、非常に意味のあることだ」としたうえで、「中国は朝米首脳会談を後押ししており、利害当事者でもある」と主張した。

北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/883562.html韓国語原文入力:2019-02-25 23:22
訳H.J

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