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[ニュース分析]朝米首脳にハノイ会談の“成果”が切実な理由

登録:2019-02-25 06:25 修正:2019-02-25 08:12
国内政治・経済状況の“圧迫” 
トランプ大統領「国家非常事態・特別検察官」事態の圧迫受ける 
金委員長「経済集中路線」の突破口が必要
第2回朝米首脳会談を3日後に控えた24日(現地時間)、ベトナム・ハノイの主要な場所で警戒が強化されている中、金正恩国務委員長の宿泊先として有力視されるメリアホテルの前に、警察がバリケードを設置している=ハノイ/パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員とトランプ米大統領は“背水の陣”を敷き、27日~28日の“ハノイ談判”に臨む。国内政治・経済的状況を考慮すれば、二人とも今回は必ず実質的な成果を出さなければならないというプレッシャーの中で会談場に向かうからだ。

 国内政治で「四面楚歌」の危機に瀕しているトランプ大統領は、今回非核化と関連して注目すべき成果を出さなければならない切羽詰った状況に置かれている。メキシコ国境に壁を建設する予算を確保するため、連邦政府をシャットダウンしたのに続き、国家非常事態まで宣言するなどの行き過ぎた措置で、国内で逆風にさらされている。大統領選挙当時のトランプ陣営とロシアの癒着疑惑を捜査してきたロバート・ミュラー特別検察官チームも、早ければ今月末に調査を完了し、トランプ大統領を起訴するかどうかを決める報告書を法務部に提出する予定だ。さらに、米国の政界と外交安保既得権層では、北朝鮮の非核化と北朝鮮との交渉に対する懐疑や冷笑、反感が漂っており、下院の多数党になった民主党を中心に、トランプ大統領の対北朝鮮政策に対する牽制の動きも強まっている。

 しかし、特有の勝負師的気質を持つトランプ大統領は、核をめぐるハノイでの朝米談判の成果で不利な問題をかき消し、さらにこれを土台に今秋から本格化する大統領選挙戦で勝機をつかむ構想をしているようだ。このシナリオが現実になるためには、トランプ大統領は今回の朝米首脳会談で、豊渓里(プンゲリ)核実験場や東倉里(トンチャンリ)ミサイル試験場への査察、寧辺(ヨンビョン)の核施設の廃棄と検証に加え、寧辺以外の地域のウラン濃縮施設に対してまで一定の約束がなければならないと判断できる。韓東大学のキム・ジュンヒョン教授は「トランプ大統領は“スモールディール”であれ、“ビッグディール”であれ、成功だと主張するだろうが、寧辺と制裁緩和に対する合意が成立するかどうかが成功の尺度と見なされるだろう」と話した。

 金正恩委員長にとっても経済的成果は切実だ。来年は労働党創建75周年であり、国家経済発展5カ年戦略を終える年だ。今年は何とか制裁緩和を通じて経済成長の突破口を見出さなければならない。金委員長が核を放棄して選択した「経済発展集中路線」が、住民に実感できる変化と発展をもたらしてこそ、金委員長がこれを推し進める名分を得ることができる。今年の新年の辞で、金委員長が「経済」という言葉を38回も使い、「経済総力戦」を強調したのも、そのためだ。

 東国大学のキム・ヨンヒョン教授は20日、朝鮮半島平和フォーラムの討論会で「トランプ大統領と金正恩委員長はいずれも対話への意志が非常に強いのに、議題がそれに追いついていないと思われる。そのギャップを埋めなければならない」と語った。キム教授は「米国の保守世論を考慮すれば、寧辺の施設の一部と濃縮ウランと関連した目立つ具体的措置が出なければならない」としたうえで、「北朝鮮も現実的にアプローチするものとみられる。トランプ大統領と金正恩委員長がほぼ同じ船に乗ったような状況」だと分析した。

パク・ミンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/883402.html韓国語原文入力:2019-02-2420:47
訳H.J

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