朝米が2月末に計画された北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とドナルド・トランプ米大統領の第2回首脳会談の細部事項を協議するため、2月4日を前後して板門店(パンムンジョム)で実務会談を行う予定だという。また、首脳会談の場所としては米国がベトナムを提案したが、北朝鮮はまだ公式に返答していないとされる。
米国の政治専門メディア「ポリティコ」は29日(現地時間)、この問題に詳しい匿名の消息筋の話として、「スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表が2月4日頃、板門店で彼のカウンターパート(相手)らと会うものと見られる」と報じた。複数の韓国筋も米国が「4日に板門店で実務会談」を提案しており、北朝鮮がまだ確答していないが、大きな問題がない限り、4日前後に会談が開かれるだろうと見通した。
板門店での実務会談が実現すれば、北朝鮮側からはビーガン特別代表の新しい対話相手に指名されたキム・ヒョクチョル元スペイン大使が出るものとみられる。キム元大使は18日、金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長と共にワシントンを訪問した際、ビーガン特別代表と初めて実務接触を行ったが、具体的な協議は行わなかったという。朝米実務会談を率いる両代表が、2回目の首脳会談をめぐり本格的に繰り広げる事実上の初の協議になるものと予想される。
朝米が合意した2月末の首脳会談を約1カ月後に控え、実務交渉が行われれば、会談の日程と場所だけではなく、儀典と警護などの実務も話し合われるものと見られる。昨年6月の第1回首脳会談で、両首脳が原則的な合意にとどまったという米国内の批判の声が高かっただけに、今回は第1回会談で合意した朝米共同宣言の具体的な履行策を調整するものと見られる。朝米交渉に詳しい複数の消息筋によると、まだ両国は従来の立場の隔たりを埋められずにいるという。1カ月で非核化と関係正常化の包括的計画を盛り込んだロードマップを作成するのは容易ではない。
このため、双方は実務会談を通じて、非核化と関係正常化過程の初期段階で交換する品目をめぐり、協議を進めるものとみられる。外交関係者らは、2回目の首脳会談で、寧辺(ヨンビョン)の核施設凍結を含む北朝鮮の追加非核化措置の見返りとして、対北朝鮮制裁に触れない線で、平壌(ピョンヤン)連絡事務所の設置や終戦宣言、人道支援を含め、韓米共同軍事演習の調整などが提示されると見ている。まだ本格的な実務交渉が開始される前であり、両国が何をテーブルに載せるかは今回の協議で明らかになるものとみられる。31日(現地時間)にビーガン特別代表がスタンフォード大学のウォルター・ショレンスティン・アジア太平洋研究センターで行う演説と討論基調も、注目を集めている。
2回目の朝米首脳会談の開催地について、「ポリティコ」は「トランプ政権がベトナムを有力候補地としているが、北朝鮮がまだ同意していない」と報じた。さらに、「ダナンとハノイが潜在的な会談場所に取り上げられている中、金正恩委員長が朝米首脳会談をきっかけにベトナムを公式訪問することになれば、首都のハノイが有力だろう」と付け加えた。