本文に移動

三菱重工強制動員被害者、3・1節前後に強制執行着手

登録:2019-01-06 22:27 修正:2019-01-07 07:56
「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」の日本市民が昨年11月30日、三菱重工業本社前で韓国最高裁(大法院)の損害賠償判決を履行せよと要求する横断幕を持っている//ハンギョレ新聞社

 日帝強制占領期間中の三菱重工業勤労挺身隊被害者たちが「3・1運動100周年」を迎える3月1日に合せて、三菱重工業を相手にした強制執行の手続きに突入する。

 三菱による被害者を代理するキム・ジョンヒ弁護士は6日、ハンギョレとの通話で「2月までに日本の三菱重工業が最高裁(大法院)判決を履行しないならば、3月1日前後に三菱の韓国内資産に対する強制執行手続きに突入する予定」と明らかにした。1月18日、三菱重工業本社に交渉を求める書簡を送り、2月までに返答がない場合、3・1運動100周年を迎える3月1日前後に韓国内財産に対する強制執行手続きを踏む予定だ。弁護団は4日、日本の名古屋を訪問し「名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会」に会った後、このような方案を協議した。

 弁護団は、三菱重工業が韓国内に1000件余りの特許権などを保有していると推定している。特許庁の特許検索サービス「KIPRIS」を通じて検索される三菱重工業所有特許権だけ770件余りに達するという。韓国国内のある企業が三菱重工業に毎年技術使用料として支払っている4500万ウォン(約450万円)の債権もある。三菱重工業が最後まで交渉を拒否し、強制執行手続きに突入することになれば該当特許権を差し押さえ、これを金銭に換算する換価手続を踏むことになる。

 キム・ジョンヒ弁護士は「損害賠償請求訴訟に参加しなかった三菱重工業強制動員被害者に対する包括的な賠償と交渉を通した平和的解決を望む。包括的・平和的解決が難しくなる場合、高齢被害者の権利実現をこれ以上先送りすることはできないので、強制執行の手続きを考慮することになった」と説明した。

 昨年11月、韓国最高裁は三菱重工業が強制動員被害者に慰謝料を支給すべきとの最終判決を下した。最高裁2部(主審 チョ・ジェヨン最高裁判事)は、日帝強制占領期間に女子勤労挺身隊で強制動員被害にあったヤン・クムドクさん(88)など被害者4人と遺族1人が三菱重工業を相手に出した損害賠償請求訴訟で、三菱重工業が1人当り1億~1億5千万ウォン(約1000万円~1500万円)の慰謝料を支給しなければならないとの原審判決を確定した。同じ日、同じ裁判所(主審パク・サンオク最高裁判事)も三菱重工業強制動員被害者チョン・チャンヒさん(96)とすでに死亡した被害者4人の遺族がこの会社を相手に出した損害賠償請求訴訟再上告審で、被害者5人に8千万ウォン(約800万円)ずつを支給せよと判決した原審を確定した。

 韓国最高裁の確定判決にもかかわらず、三菱重工業は強制動員被害者に対する損害賠償を頑強に拒否している。三菱重工業は最高裁判決が下された後、ホームページに「日韓両国とその国民の請求権に関する問題は、1965年日韓請求権協定で『完全かつ最終的に解決』されており、いかなる(追加)主張もできないと(韓日協定で)決めた。韓国最高裁の判決は、日韓請求権協定と日本政府見解に反するもので極めて遺憾」という立場文を上げた。

 日本の戦犯企業である新日鉄住金の強制動員被害者もまた、新日鉄住金の韓国資産を差し押さえる強制手続きに着手している。昨年10月、韓国最高裁の損害賠償命令判決を日本政府と該当企業が拒否したことに伴う後続措置だ。強制動員被害生存者のイ・チュンシクさん(95)など2人は、2018年の最後の日である12月31日、最高裁全員合議体の判決(被害者4人にそれぞれ1億ウォンずつ賠償)にともなう損害賠償額の保全のために、差し押さえ申立て書を管轄裁判所の大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支所に提出した。

コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/877161.html韓国語原文入力:2019-01-06 14:11
訳J.S

関連記事