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国連強制的失踪委員会「慰安婦問題に対する日本の立場は遺憾」

登録:2018-11-20 23:34 修正:2018-11-21 15:51
国連の「強制的失踪委員会」//ハンギョレ新聞社

 国連の「強制的失踪委員会」が、「慰安婦」問題は解決済みという日本政府の見解は被害者の権利を否認するもので、日本の賠償も不充分だとし、この問題に対する最終見解を明らかにした。

 国連強制的失踪委員会は19日(現地時間)、ホームページに日本政府が慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決された」という見解を表明したことに対し遺憾と考える立場を明らかにした。また「委員会は、被害者に『強制的失踪防止条約』が定めた十分な賠償がなされていない点に対して憂慮する」と明らかにした。

 委員会は、問題が最終的・不可逆的に解決されたという日本政府の立場が「(加害者を)処罰しないことを永久化させ、被害者が正義と賠償、再発防止を保証される権利、そして真実を知る権利を否認するもの」と指摘した。続けて「強制的失踪者である可能性がある慰安婦の数など統計情報がない点と、加害者に対する調査と起訴がない点を憂慮する」とも明らかにした。

 国連人権最高代表事務所(OHCHR)に設置された「強制的失踪委員会」は、国家による外国人拉致などを禁止する「強制的失踪防止条約」締結国の状況を審査する。日本は今月初めに審査を受けた。日本政府は、審査過程で慰安婦問題は2015年韓日合意により最終的・不可逆的に解決されたことを確認したと主張した。条約の発効前に起きたことを委員会で扱うことは適切でないとの論理も主張した。これに先立って日本政府は、韓日慰安婦合意により設立された和解・癒やし財団に10億円を出しながら、これを「拠出金」と言い、賠償の性格と言わなかった。

 委員会の今回の発表は、慰安婦問題に対する日本政府の立場と態度を不当であると認めたものだ。

 だが日本政府は、国連委員会の判断と評価にも同意できないとし遺憾を表わした。共同通信は、スイスのジュネーブに駐在する国際機関日本代表部担当者が「委員会の最終見解は誤解と偏見に基づいた一方的なもので、きわめて遺憾」と話したと伝えた。この通信は、日本代表部が国連人権最高代表事務所に抗議したとも伝えた。

 一方、共同通信は、日本政府が和解・癒やし財団が解散されたならば韓国政府に厳重に抗議する方針を固めたと伝えた。しかし、日本政府は和解・癒やし財団の解散が合意の破棄に該当するという表現を使わない方針だと、同通信は伝えた。日本政府は、韓日慰安婦合意は依然として有効だという立場を維持し、合意の履行を韓国政府に求めることが外交上有利と判断していると見られる。

 日本が韓日関係のイシューに対して強硬態度を守る中で、李洛淵(イ・ナギョン)首相は今月15日、首相室幹部会議で最高裁(大法院)の日帝強制占領期の韓国人強制徴用被害者に対する賠償判決と関連して、主務部署である外交部の対処が消極的だと叱責し、厳重な対応を指示したことが分かった。首相は当時、外交部が報告した政府の立場文の英文本を外交部のホームページに掲示する方案などが不十分だとしながら、チョ・ヒョン外交部1次官を別に呼んで、一層積極的な対応を注文したと首相室関係者らが20日伝えた。これと関連して、外交部高位当局者は首相の叱責はなかったとし「外交部は関係部署の対応策の用意に積極的に参加し役割を尽くしているが、慎重にならざるをえない」と釈明した。

東京/チョ・ギウォン特派員、パク・ミンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/871023.html韓国語原文入力:2018-11-20 22:29
訳J.S

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