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マティス長官、韓米合同軍事演習の再開を示唆…「非核化離脱」に対する警告

登録:2018-08-30 05:38 修正:2018-08-30 08:10
ジェームズ・マティス米国防長官(左)が今月28日、ジョセフ・ダンフォード合同参謀議長と共に記者会見を行っている=ワシントン/AP 聯合ニュース 

 米国がマイク・ポンペオ国務長官の4度目の訪朝を急きょ取り消して朝米交渉の形勢を揺るがしたのに続き、韓米合同軍事演習を再開する可能性まで持ち出したことで、膠着状態がさらに進んでいる。金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長がポンペオ長官に送った手紙で「非核化交渉が瓦解する恐れもある」と言及したという報道直後に出た強硬な対応だ。

 マティス長官は28日(現地時間)、国防総省で開かれた2019年米国の国防予算を説明する記者会見で、「北朝鮮が非核化を進めていないなら、そろそろ韓国との合同演習を再開するのか」という質問に「我々はシンガポール(朝米)首脳会談で出た善意の処置として、最大規模の軍事演習のいくつかを中断した」としたうえで、「現時点ではこれ以上演習を中断する計画はない」と明らかにした。

 ドナルド・トランプ大統領は6・12シンガポール首脳会談直後の記者会見で、韓米合同軍事演習が「多額の費用がかかるうえに挑発的」だとし、中断する意向を明らかにした。これにより、8月に予定された乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)と韓米海兵隊合同演習(KMEP)が延期された。韓米はその他にも毎年3月にキーリゾルブ演習とトクスリ訓練も行ってきた。

 マティス長官はどの演習をいつ再開するかについては、「現在決まっていない」とし、「国務省と協議するつもりだ。(朝米)交渉がいかに進むかを見極めて未来を計算する」と答えた。これに先立ち、マティスの長官とソン・ヨンム国防長官は今年6月にソウルで会談し、「北朝鮮が善意の対話を持続する限り、信頼構築と平和定着のための措置を講じていく」方向で意見の一致を見た。今回の発言は、北朝鮮が「善意の対話」の相手ではないと判断されれば、合同演習を再び行うこともあり得るとして、条件付きの再開方針を明らかにしたと言える。

米空軍戦略爆撃機B-1Bが今年3月、朝鮮半島上空で韓国空軍F-15K・KF-16戦闘機と合同演習を行っている=空軍提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮は韓米合同軍事演習を深刻な脅威と受け止めてきた。米国が、ポンペオ長官の訪朝キャンセルで対話に赤信号がともっている状況で、演習再開のカードまで取り出したのは、事態悪化の危険性を甘受してまで非核化への圧迫を高めた“強気の対応”と言える。

 マティス長官の発言は「金英哲副委員長がポンペオ長官に24日に送った敵対的な手紙が、4度目の訪朝を取り消した背景」という米国のマスコミ報道直後に出た。訪朝を取り消し事態の原因が北朝鮮にあるとマスコミを通じて強調し、北朝鮮をさらに追い立てている様子だ。同日、米国のニッキー・ヘイリー国連大使もワシントンで開かれたカンファレンスで、「北朝鮮が非核化に対する考えを変える可能性があるのか? それはあり得ることだ」と述べた後、「しかし、我々は制裁と非核化に対する考えを変えない」として、対北強硬基調を再確認した。

 ポンペオ長官は北朝鮮に「最終的かつ完全に検証された非核化」(FFVD)を要求して対話の余地を開いておいた。彼はヘザー・ナウアート国務省報道官を通じて発表したメッセージで、「平壌(ピョンヤン)訪問を延期した決定にもかかわらず、米国は、シンガポール首脳会談の際に金正恩委員長がドナルド・トランプ大統領に述べた“北朝鮮を完全に非核化する”という約束を履行する準備ができていることが明らかになれば、関与する準備ができている」と明らかにした。マティス長官も、合同演習の再開は非核化交渉を見極めて決定するとし、「(軍事ではなく)外交で進展が見られるようにしよう。我々は外交官らを後押ししている」と説明した。外交界では「米国が北朝鮮と対話を続ける意志を捨てたわけではない。北朝鮮の反応を確認しようとしている」と見ている。

 米国が北朝鮮にボールを渡した状況で、今後の北朝鮮の選択に関心が集まっている。米国の態度を不当な圧迫と受け止めて反発するか、それとも対話の進展に向けた“圧迫性懐柔”と判断して接点を模索するかがカギとなる。まずは北朝鮮は政府樹立70周年の9・9節の行事に集中するものと予想されるだけに、朝米の争いは当分続くものと見られる。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/859775.html韓国語原文入力:2018-08-29 20:48
訳H.J

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